「火花」の芥川賞は出来レース!が正直な読後の感想 | con-satoのブログ

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又吉直樹の「火花」を読んだ。話題の芥川賞受賞作品。実は、以前から又吉直樹の文芸寄りの活動には疑問を持っていた。なので、今回の芥川賞騒動も冷めた目で見ていた。又吉直樹が本が好きだというのは、彼の趣味。しかし、それを仕事にするのは別。読書好きの有名人はたくさんいる。そして、影響力を持つ人もいた。小泉今日子などは典型。彼女が勧めた事がキッカケでベストセラーになった本もある。しかし、彼女は、自分の名前を上げる事には利用しなかった。あくまでも、好きな本を好きだというだけ。でも、又吉直樹の文芸活動は、仕事になっていた。だから、小説を発表したと聞いた時は、あまり驚きはなかった。知名度を利用した戦略。そして、絶賛の声。完全な芸能のノリ。出版社にも営業の必要はある。文化のためと言いながら、営利は一番優先するもの。まして、現在はネット時代。出版は構造不況。少しでも話題を作り、利益を上げたい。今回の件は、大手芸能プロと出版界の利害の合致。そのための賞に見えた。それでも、権威と歴史のある芥川賞。それを信頼して、先入観を排して「火花」を読んだ。売れない若手芸人と、やはり売れないけど天才気質の先輩との話。又吉直樹の知り尽くした世界。この主人公のモデルの原点は、やはり又吉なのだろう。私小説だと思った。小説としては、作者が知り尽くした世界を書いているので説得力はある。しかし、この主人公の漫才に対する小理屈が繰り返されて、ややうんざり。たかが、漫才の姿勢はない。笑いに理屈をこねるほど、みっともないことはないと思うが、作者はそうではないよう。文章は、それなりに書けている。しかし、これが文学なのかといえば、文学的にスタイル文章という程度だと思う。これが無名の著書ならば、本になるのか、ならないかという程度。名前ありきなのだと思う。なので、芥川賞という賞に値するかといえば、しないだろう。この文章が、又吉直樹でなければ確実に賞にはならなかった。まるで。出来レースが当たり前のレコード大賞のようにみえた。選者になった作家たちも、出版社にお世話になる立場。何とか話題をという出版社の気持ちは汲み取るだろう。所詮、賞なんてそんなもの、と考えればいいのだ。商売上手な菊池寛は、賞はあくまでも話題性と考えていたと思う。そういう意味では、今回の又吉直樹の受賞は正しい選択かも知れないと思った。