この絵、アメリカでは50年代から60年代にかけて一世風靡したらしい。しかし、NYタイムスの美術担当に俗悪と書かれ、だんだん評判は落ちてゆく。この詐欺師のような男がいなければ「ビックアイズ」の絵は売れなかったかも知れない。彼には絵画の才はなかったかも知れないけど、売り込む力はあった。それは本当。ただ、やり過ぎただけ。そのやり過ぎの最たる例がクライマックスの裁判シーン。テレビの「ペリーメイソン」を見た弁護士を模倣しながら、実際の法廷で自分の弁護をする。このあたり芸達者なヴァルツが見せる。らしさはないがバートンの新境地。
「シザーハンズ」「ナイトメア・ビフォー・クリスマス」のティム・バートン。彼の新作が公開された。この新作にはジョニー・デップは出ていない。そのせいか、ちょっと地味な印象。話は、昨年、日本で話題になった別人作家のようなストーリー。売れっ子の画家の夫に、幸せそうな妻。しかし、ふたりには誰も話せない秘密があった。それは、この絵を描いているのは、本当は奥さんで、旦那からはそれを内緒にするように強要さるていた。いまな言葉ならモラハラ。夫を演じるのはアカデミー賞二度受賞のクリストフ・ヴァルツ。妻はアカデミー賞ノミネート多数で、この映画でもノミネートされたエイミー・アダムス。
