映画監督スティーブ・ダルトリーの新作「トラッシュ」が公開された。「リトルダンサー」でデビューして以来。寡作ながら、今まで監督した作品の全てでオスカーにノミネートされているダルトリー。しかも、舞台演出家としても「リトルダンサー」のミュージカル作品「ビリー・エリオット」などでトニー賞も受賞。演出家として映画、舞台で高く評価されている監督。その監督が挑んだのが、ブラジルを舞台にした少年たちの物語「トラッシュ」。タイトルのように、ゴミためで生きる少年たちが主人公。ある日、犯罪に巻き込まれた財布を拾ったことで運命が変わる。政府を巻き込む大きな秘密が隠された財布。それを必死に追う刑事をかわしながら、ストリートキッズたちが見事に逃亡するサスペンス劇。影には、オリンピックやワールドサッカーに揺れるブラジル社会への批判がある。ブラジルが舞台なので、ほぼ全編ポルトガル語。少年たちが逞しくサバイバルする姿は、ある種の感動を呼ぶ。しかし、ブラジルの貧困や社会矛盾を、イギリス人、つまりは外国人が描いたことに疑問が残った。
