エンタ好きなので、暇があるとエンタ関連本を読んでいる。優れた著作が多いのは音楽家と写真家。音楽家は独特の感性がある。写真家はやはり描写力に長けている。音楽家の名エッセイストの代表は、指揮者だった故・岩城宏之。著作も沢山あり、どれも秀逸。小沢征爾も若き日のエッセイは楽しい。ビアニストの中村紘子はエッセイで賞を獲ったほど。それに反して俳優の文章はつまらない。沢村貞子のような名手もいるが、それは沢村貞子が脇役だったから。主役クラスの人は、我先なエゴイズムが目立つ。日本では岸恵子、アメリカではキャサリン・ヘップバーンの文章は面白い。でも、それは彼女たちの「スーパー」の付くエゴイズムのため。呆れるほど悪文なのだが、そんなことを気にしない超自己主義が全てを超越。ファンにはたまらない魅力がある。写真家にも文章がズバ抜けた人がいる。写真家の文章の魅力は、やはり写実力。小林紀晴や石川直樹など、どちらが本業かわからないほどの高いレベル。写真家の場合は当然、紀行が多い。写真と文章ですっかり、その土地に旅したい気分に浸れる。旅に出る時は、特にたくさんの本を持参する。エアポートの待ち時間など、楽しい本があれば、アッと言う間。そんなシュチュエーションには音楽家、写真家のエッセイがピッタリ。
