第2次世界大戦中のユダヤの悲劇は尽きることなく語られている。
この「ソハの地下水道」も、そのひとつ。
戦争中のポーランドが舞台。
主人公のソハはウクライナからの移民。
地下水道で働く労働者。
模範的とか、良心的な生活をしているワケではない。
水道管理などでは暮らしてない。
そんな穴を埋めるために、泥棒までしている。
その戦利品を地下水道に隠しているのだ。
そんなある日、地下水道に逃げるユダヤ人を発見する。
初めは、口止め料を稼ぐために、裕福なユダヤ人を脅かす。
戦況はどんどん悪化してゆく。
行く場を失うユダヤ人たち。
お金目的だったソハは、段々彼らに「思い」を寄せてゆく。
「アンネの日記」「シンドラーのリスト」など数多く語られたユダヤ人問題。
でも、この映画の主人公は、まったく道徳的な人ではないのがミソ。
簡単な感動作ではない。
一番ステキなのでは、そんなソハに呆れながら、ソハに寄り添ってゆく妻。
この妻も「人道的」な偽善など、まったく持ちあわせていない現実主義者。
それでも、この夫の「愚行」に着いてゆく。
人の心宿る「善」。
実話を元にしているらしいけど、実話にこだわる必要もない市井の人の話。
それだからこそ、価値のある人道のありようを問う作品。
「ソハの地下水道」
2011年 ポーランドードイツ映画 2時間23分
アルバトロス配給