関西の音楽活動グループConceptusです。

8月の2回に渡る「フィガロ」を目の前に、

その作品解説を掲載致します。





 


バジリオの踏んだり蹴ったりな一日

 

この日、結婚という言葉が2つの意味を持って、

この伯爵家の中を飛び交っていました。

どちらもフィガロが結婚する話なのですが、

それぞれに相手が違います。

一つは皆様もご存知のスザンナとの結婚。

今日はまさに結婚式を挙げようという日なのです。

その一方で、今日になって出た話ですが、

どうやらフィガロは金の貸主である女中頭マルチェリーナに、

返済の代わりに結婚を迫られている様子。

バジリオは苦い思い出は持ちつつも、

マルチェリーナのことはやはりまだ好きで、

フィガロと結婚されてしまうことは良い気分ではありません。

さりとて、フィガロが予定通りスザンナと結婚するとなると、

伯爵から命じられているのはスザンナの初夜を

伯爵との間で段取りすることで、

それはそれで良い気分の仕事ではありませんが、

生きるためには致し方ないところです。

そして、バジリオは一つ情報を握っています。

昨日、ケルビーノバルバリーナといるところを伯爵に見つかり、

追放を命じられたということを。

しかしケルビーノはすぐに出て行かず、

まだ伯爵家の中をウロウロしていて、

しかもフィガロスザンナの新居となる部屋に

出入りしているということも。

 

色んな方面でイライラの募るバジリオに出来ることといえば、

ケルビーノを炙り出して伯爵に突き出し、

弱者いじめとゴマすりを一挙両得ですることくらい。

思いがけずケルビーノ伯爵が同じフィガロたちの新居にいたことで、

炙り出しには成功したようなものの、

自分の伯爵からの評価が上がったかといえば、

むしろ下がったようにも思える状況。

そんな中、マルチェリーナから

フィガロへの訴訟への協力を頼まれます。

フィガロマルチェリーナの結婚に協力するなんて真っ平ですが、

今夜はお相手してあげるから、とでも言われたのか、

しぶしぶ証人として協力するも、

その直後、本当にケルビーノが任命された連隊に赴任しているか、

確認してくるように命じられ、

戻ってきた時には訴訟はひっくり返り、

何とマルチェリーナこそがフィガロの母親だと判明。

同じく父親と判明したバルトロマルチェリーナが今日、

結婚してしまうという踏んだり蹴ったりな状況でした。

祝いの宴ではきっと1人、苦い酒を飲んだことでしょう。

しかもその後、伯爵の、

バルバリーナに対する暴行を目撃してしまいます。

 

そして夜、フィガロに呼び出されて庭に行くと、

自分は任務完了していないのに、

スザンナ伯爵とが逢引をするという話。

そして、過去の自分には出来なかった貴族への抵抗を、

フィガロはしようとしている。

何とバルトロも、息子であるフィガロに同情している様子。

八方塞りのイライラと嫉妬から、

自分の不運と処世術を押し付けるように歌う、

本当は大変に苦しいアリア、それがバジリオのアリアです。