新宿歌舞伎町 春画展ー文化でつつむ『わ』のひととき
新宿歌舞伎町能舞台
2025年8月2日(土)
春画展です。
春画展といえば2015年の永青文庫の展覧会を思い出します。あれから10年。もう少し開催されても良さそうなものですが、日本では難しいのでしょうか。
会場は新宿歌舞伎町のど真ん中。夜に行くと凄いことになりますから、朝イチに行きました。午前10時の歌舞伎町はすこし間抜けな感じです。
第1会場 新宿歌舞伎町能舞台
第1会場は本当に能舞台になっています。展示している春画は撮影自由でした。しかし、そのまま掲載はできませんので「一部」だけ、お見せします。
柳川重信 天野浮橋 天地人
日本の歴史において、最初にセックスをしたのはイザナギとイザナミです。展覧会の最初の展示としてこの造本はふさわしいといえるでしょう。
天地人、三巻セット。真面目な歴史本なのか、春画がなのかは開いてないのでわかりません。
磯田湖竜斎 中判画帖(12図)
まあちいとおまちなんせ
誰に声をかけているのでしょう。急なお客さんでしょうか。
あら、お楽しみのところすみません。また今度。
みたいな。
いい味出してます。
そもそも昔の日本家屋は防音性が低いから隣りの夫婦の夜の声が響いて眠れないなんて日常でしょう。
鳥文斎栄之 欠題組物
上手いですね。鳥文斎栄之らしく綺麗だし。春画になっても作風はそのまま反映されるのがよくわかります。
ぬしの✖️✖️は大きくてここちよく
読めるもんですね。
勝川春潮 欠題組物
腕のたつ絵師が描き、彫り師、刷り師も揃った豪華な春画を見ると芸術性を感じます。写真や映画との違いはそこでしょう。
この春画が鮮やかでないのは勝川春潮が「紅嫌い」だからです。倹約令で派手な色彩を使えなくなったこともありますが、おさえた色調でもいいものは作れるという反骨心の現れた春画です。
喜多川歌麿 願ひの糸ぐち
あえて顔を半分隠すところに粋を感じます。歌麿はうまいなあ。情を感じますよね。
葛飾北斎 万福和合神 上巻
春画史の中でも屈指の名作と呼ばれる艶本です。
裕福な家庭に生まれたおさね、
貧乏な家庭に生まれたおつび。
対象的な二人の性遍歴を綴った物語。面白そうなので読んでみたいです。ただ、私にとって北斎の春画はイマイチです。顔がテキトーなんですよね。表情が。
菱川師宣
浮世絵の開祖から、もうガッツリ春画を描いています。見返り美人のあのキャラクターがそのまま、春画になっていて面白い。屋外でしていたり、それを誰かが覗いていたりと、シチュエーションもさまざま。
第2会場 歌舞伎ソシアルビル9階
通常はホストクラブとして使っている場所を会場にしているようです。
こちらはトリミングも不可能なくらい、そのまんまの春画でした。
載せられるものがないのですが、一点くらいは載せましょう。
歌川国貞 風俗三国志
すごい文字量です。春画でなく艶本、エロ小説ですね。絵の部分は隠していますが、文字の部分もNGワードが入っているかもしれません。怒られたら、削除します。
どれもアイデアが豊富、多彩で面白い。おそらく現代よりも進んでいた(?)と思います。
文明も文化も昔より今の方が自由で進んでいると思いがちですがそんなことはないし、身分制社会も現代社会も人間の根源的な営みに大差はないと思いました。
貴重な機会ですので新宿歌舞伎町に足を運んではいかがでしようか。
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