瀬戸内国際芸術祭2025 春会期

直島(なおしま)

2025年5月2日(金)


 

3年に1回開催する「瀬戸内国際芸術祭2025」に行ってきました。この芸術祭の魅力は「瀬戸内海」。海を船で渡りアートを見るのは他ではできない体験です。それから「島」。閉じた地域それぞれの特色の違いが興味深い。最後に「人」。スタッフの方々、島の方々が、芸術祭に前向きに参加している姿が心地よいです。

 

 

今回は春会期を4日間で回ります。すべての島を周り切ることはできませんので、直島、豊島、犬島、男木島、女木島へ訪れる予定です。

 

1日目は「直島」。新大阪から宮浦港に到着、案内所へ行き事前に購入していたチケットをパスポートに交換します。デジタルと紙があり、紙はスタンプ帳になっています。私は昭和な人間ですのでもちろん紙にしました。 

 

 

それからパスケースも購入。「022」と印刷されているのは前回在庫を流用だからで、これなら家にあったのですが、まあ仕方ないです。

 
それではいよいよ出発です。直島は自転車で回りたかったのですがレンタルサイクルは完売。バスと徒歩に決定となりました。
 
まず近場から。
 

01    赤かぼちゃ  草間彌生

 

直島の宮浦港のすぐ近くの海辺に設置されている島のランドマーク、芸術祭のシンボルといえる作品です。このくらい強烈な色彩でないと屋外では埋もれてしまう。この力強さこそ草間彌生が晩年にたどり着いた境地です。上の写真は誰も写っていませんが、側には行列が続いていて、中に入ったりして記念撮影していました。

 

 

もうひとつ、港からよく見えるランドマークとなる作品。

 

04 直島パビリオン  藤本壮介

 

こちらも中に入ることもできる作品です。船つき場から離れているため、集客には不利ですが、これも存在感があります。

 

 

03 BUNRAKU PUPPET  ジョゼ・デ・ギマランイス

 

文楽をモチーフに制作した彫刻作品です。言われてみるとモコモコしたカタチが文楽っぽいような気がしてきました。

 

肩慣らしはこの辺にしていよいよ島巡りです。

直島の作品展示は3つの地域に分かれています。

 

 

 

  • 宮ノ浦
  • ベネッセハウス周辺
  • 本村

 

 

直島はそこそこ広く、美術館がいくつかあるため、一日で回るのはかなり駆け足になります。コンプリートはあきらめて、時間いっぱい見れるだけ見るという作戦でいきます。

 

事前にベネッセハウス周辺にある地中美術館は予約していましたので、ルートとしては、宮ノ浦→ベネッセハウス周辺→本村→宮ノ浦という順番で周ります。

  

 

  ベネッセハウス周辺

 

ベネッセハウスとはその名の通り、ベネッセが

運営する宿泊施設。内部にもアートが展示されている昨今よく言うアートホテルです。この施設を中心にベネッセが所有する敷地全体がアートの展示スペースとなっています。常設ですので芸術祭がない時も見ることができます。

 

 

3枚の正方形  ジョージ・リッキー

 

これは芸術祭の出品作ではありませんが屋外の常設展示なので見ることができます。近年台風で破損したとニュースで聞いていましたが修復されていました。風を受けて動くつくりです。残念ながら風が弱いせいか微動だにしませんでした。このいかつい板が動くと随分違ったものに見えたでしょう。

 

 

見えて/見えず 知って/知らず

ウォルター・デ・マリア  

 

これも出品作ではありません。高さ2メートルくらいある大理石の巨大な球。タイトルの通り近くの道から隠れるように置いてあるので見つけるとギョッとします。これ、よく覚えておいてください。別の機会に取り上げます。

 

 

 

これはアートではなくて、ただの船着場。まわりに人工物が無くて島と海と空しか目に入らないのでとても絵になる。

 

 

文化大混浴 直島のためのプロジェクト

蔡國強

 

これも芸術祭の対象外の作品。浜辺のそばに枯山水のような石。

 

 

中央には湯船があります。蓋がしてありますが、本番(?)では外してお湯をはって入浴できるようです。

 

ベネッセハウスの周りには、まだたくさん作品があり、さらに地中美術館、李禹煥美術館、杉本博司ギャラリーなどもあります。これらは芸術祭の会期でなくとも見るチャンスはあるので次のエリアに移動します。

 

 

  本村

 

本村は宮ノ浦の反対側のエリアです。古民家を活用した家シリーズと呼ばれる作品が多く展示されています。

 

11 角屋「Sea of Time '98」  宮島達夫

 

古民家の屋内にはった水に光るデジタルカウンター。この空間を生かしたキレイなインスタレーションです。時を刻むように進む数字を見ていると、今は人の住んでいない建物も生きているような気がしてきます。

 

 

12 護王神社 「Appropriate Proportion」 杉本博司

 

杉本博司の作品は遠い未来を見据えています。日本では神社ほど長く生き残っているものはありませんから、それを活用するのは有効でしょう。

 

 

由来のわからなくなった何万年先の未来でも、パワーを持つ場として残り続ける気がします。

 

 

26-2 Ring of Fire -ヤンの太陽 & ウィーラセタクンの月 Solar(昼)
ヤン・ヘギュ、アピチャッポン・ウィーラセクタン

 

二人のアーティストのコラボ作品です。古民家の畳の部屋の天井の上から、大きな鈴のシャンデリアのようなもの2台つり上げられていました。モーターやレール、ケーブルなどが取り付けられていてどうやら、動くインスタレーションのようなのですが動作はしていませんでした。これに映像を加えたものが、本来の展示内容のようで上映されていませんでしたので内容はわかりません。但しこの建物の庭は撮影可能でしたので挙げておきます。いい庭でした。

 

 

 

 

直島港ターミナル  妹島和世+西沢立衛/SANAA

 

ターミナルというより自転車置き場。昼間だと時とともに経年劣化で汚れた感じに見えてしまうのは人工の素材の宿命です。夜になると光るそうです。

 

 

14 碁会所  須田悦弘

 

昨年、渋谷区立松濤美術館で須田悦弘の展覧会を見ましたので、前回観た時より理解は進みました。本物そっくりの彫刻作品です。失礼ながらこの椿は花びらが厚めで、作り物感あって驚きが薄いなと思いました。

 

 

こちらの竹は見事な出来映えです。改めて、何でこんなものをと「?」が飛び交う作品です。

 

 

 

07 The Naoshima Plan「水」  三分一博志

 

三分一博志は人を快適にする建築がうまいです。古民家を改築した清々しい休憩スペースで、水をはり足を冷やせるようになっています。外国人の方々がくつろいでいました。

 

 

 

16 はいしゃ  大竹伸朗

 

歯医者の建物を改造した作品。内部の壁、床一面にペインティング、コラージュを施してます。

 

 

 

時間が経ち制作物が色あせて存在感が薄くなる中、これだけは堂々たる姿でした。やはりこの建築物は自由の女神を展示するためのもののような気がします。ただ、このほかに天井の高い空間があと2つ設けてあるので、そのうち何かを持ってきて展示する気かもしれません。

 

 

  宮ノ浦

  

本村からバスで戻って来ました。帰りの船便まで時間がありますので、残りの作品を見て周ります。

 

 

05   直島銭湯「I♡湯」    大竹伸朗

 

その名の通り銭湯です。本物の銭湯なので、普通に入ることができます。

 

今日は時間がないので外観だけ。銭湯ですから入っても中は撮影できませんが。内部の装飾も外観と同じく派手派手、大竹伸朗ワールドです。

 

 

 

06 瀬戸内「  」資料館/宮浦ギャラリー六区  下道基行

 

瀬戸内についての資料を集めてまとめることを作品としています。資料収集型のアート作品は、見る人のためでなく、創る人のためにあるというのが私の持論です。内部には本棚に並べてられている膨大な書籍と壁一面に貼り付けてある資料。

 確かこの作品、昨年の「MEET YOUR ART FESTIVAL 」でも展示されていました。内容は興味深いのですが、急ぎの旅程では見てもいられないのが残念です。

 

 

1日目はここまでです。高松へ向かう船便が気になり、ちょっと焦ってしまったのであまり落ち着いて見れませんでした。2日目からは、スタンプラリーにおちいることなく、作品としっかり向き合っていきたいと思います。

 

 

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