マスコミとSNSの度重なるネガティブキャンペーンで大人気の大阪万博へ、ゴールデンウィークに行って来ました。
最大の目的は、シグネチャーパビリオンの落合陽一 null2 だったのですが、事前予約落選、当日入場後の予約も落選。予約以外は入館できないということで望みは絶たれ、しばし呆然となりました。
とにかく外観を撮影し、気を取り直してパビリオン巡りをすることに。
4月30日、5月1日の2日間でフランス、ドイツ、イタリア、スペイン、中国、韓国、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、マレーシア、アゼルバイジャン、トルコ、パソナ、三菱未来館他を周りました。
このうちでブログに書かねばと思ったのが
イタリア&バチカン館。
展示内容をまったく知らずにはいったので衝撃でした。
1日目に2時間待ちの行列ができているのを見て、人気があるらしいとチェック。2日目にタイミングを狙うものの空く気配はありません。落合館を外したトラウマもあり、並んで観れるならと一念発起。午後3時頃に列の最高尾に加わりました。
待っている間は、本を読んだり、ブログを書いたり(!)していたので、退屈はしませんでした。ただ長時間歩いてからの立ちっぱなしで足が痛い。我慢も限界に近くなりながら入館できたと思ったら最初のシアタールームでまたの時間待ち。
それから30分、結局合わせて2時間30分。こんなに並んだのは東京都美術館の伊藤若冲の「動植綵絵」全点公開以来。(確かあの時は80分くらい。)
半円形に座席が配置されているシアタールームに入ると椅子がフカフカ。さすがイタリアと妙に納得。3分程度のそれらしい映像が終わりメインの展示室への扉が開きます。中にはいると中央にあったのがこちら。
「ファルネーゼ・アトラス」
紀元前2世紀の大理石彫刻。ナポリ国立考古学博物館。リアルな人体描写と、筋肉まで使った感情表現。頭の上に担いだ宇宙の重みが伝わってきます。
表現技術もさることながら、構想のスケールの大きさ。国を象徴するパビリオンの中心を担うにふさわしい。
そして周囲には歴史上の文物、アート、最新の科学技術まで展示されています。
「伊東マンショの肖像」 ドメニコ・ティントレット
この絵は以前見た記憶があります。伊東マンショは天正遣欧少年使節団のひとり。イタリア各地を巡りローマ教皇に謁見していますから日伊友好の象徴としてうってつけです。
このほか天井にイタリアから日本へ初飛行した飛行機の原寸模型も展示されていました。イタリアに限らずヨーロッパ先進国のパビリオンは、歴史上日本との絆を示す事物を持ち込んでプレゼンするのがうまいです。
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展示室の雰囲気もなかなかでした。
残念ながらすぐにスタッフに追い出されるように、次の薄暗い小さな部屋へ。
そして、そこに展示されていたのがコチラ。
「キリストの埋葬」
ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ
カラヴァッジョ?
本物?
本物のようでした。(まだ疑っています。「ギャラリー・フェイク」「オークション・ハウス」の読みすぎ。)
まったく想像していなかったのでインパクトありました。パビリオンなんて一時的な建築物に持ってくるようなものではない。大理石の彫刻ならいざ知らず、この建物、機密性高くないし、作品へのダメージを回避できるのか心配。いや、実はイタリアの教会では珍しくもないので雑に扱われている可能性も?
邪推はこのあたりにしまして、ドラマティックな陰影表現で埋葬場面なのに迫力があります。キリストを知らない違う文化圏の人間が見てもなにか大変なことが起きている、大切な方の命が失われたということは感じ取れるでしょう。大きい絵で人間も原寸に近く見えます。裸の筋肉の一つ一つの陰影が、現世で受けた苦しみの痕のようにも思えてきます。この展示室の薄暗さがまた作品を引き立ていて、じっくり見ていると次の方々がどやどや入ってきまして時間終了。押し出されるように次の展示室へ。まだ展示はありましたが、カラヴァッジョのインパクトにまさるものは無かったので省略。
それにしても本当に驚きました。名画を見ることができて、2時間半待ちも満足でした。
と、言いたいところですが、アートファンの私でも
そこまでは思えなかったです。確かに素晴らしい作品でした。でも2時間半は長い。カラヴァッジョと知っていたら、並んだかなあ。結局並んだとは思いますが少し頑張り過ぎた気もします。落合館なら2時間半待ちする覚悟はありましたが。
伝えたいことは記しましたので、あとは適当に写真あげときます。
フランス
フランスらしかった。
スペイン
海をテーマにしていました。
ドイツ
地味にいいです。
パソナ館
びっくりするぐらい力が入っていました。
大屋根リング
でかいです。一見の価値あり。
ガンダム
膝つきガンダム。
ということで、雑な万博紹介でした。
最後になりますが、私は万博は見に行った方がいいと思います。若い来場者は皆楽しそうにしていて熱気がありました。
リアルに世界へ行くのは大変ですし日本にいながらにして外国を訪れることができるいい機会です。各国それぞれ力は入っていますから、何か新しい発見、気づき、キッカケはあると思います。
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