士郎正宗の世界展~『攻殻機動隊』と創造の軌跡~ 世田谷文学館 

2025年4月19日(土)



士郎正宗は異色の経歴の漫画家です。


デビューは1985年。出版社の主催する漫画賞に投稿して新人賞を取ることもなく、いきなり単行本デビュー。しかも作品は次々にアニメ化。手描きにスクリーントーンで描くアナログな時代に、未来社会を緻密に正確に深く予見した「SF作品」を世に出します。


中でも押井守監督のアニメーション映画「攻殻機動隊 GOHST IN THE SHELL」は世界的にヒットしました。ただ作品が独り歩きしてしまい原作者と別のイメージがついてしまうという妙な状況に。それも含めて士郎正宗ワールドなのです。


主な作品は


「ドミニオン」

「アップルシード」

「仙術超攻殻  ORION 」

「攻殻機動隊」


今回の個展では原画を中心に展示しています。





 ドミニオン





昔懐かしい版下の指定紙。




接写しました。スクリーントーン、見えますか?



 アップルシード


何度かフルCGでアニメ化されています。






 攻殻機動隊


アニメ映画、TVシリーズ、ゲーム、ハリウッドによる実写映画と何度も映像化されました。そして再び新テレビシリーズの制作が決定しています。2026年放送予定。



コマの外側に書かれた考察は情報量が多く、読むのが楽しくもあり苦しくもあり。






草薙素子は、女性キャラクターの革命と言えるくらいの存在で今でも変わらぬ人気を誇ります。





阪神淡路大震災で被災したことをキッカケに、制作にパソコンを導入したそうです。



色使いに手描き感のあるのは、手描きの手法から手探りで描き方を編み出しているからでしょう。漫画の描き方に決まりはありませんから、百人いれば百人の技法があります。


それから世田谷文学館、恒例の和室展示。




AIが人間にとって代わる。そんな未来は遠い話ではなく、もう現実の問題として議論されるようになりました。




ジュール・ヴェルヌのSF小説「月世界旅行」「海底二万里」は、未来を予見するという面で革新的でした。しかし現代人が読むと科学的な設定に無理があり、使われている技術も古く、昔の人が考えた未来となっています。


士郎正宗も今年デビュー40周年。過去の作品をリバイスし続けているとはいえ、ネットワーク社会は生活のインフラとなり、AIも使いこなすべき技術となった中、未来をどう描いていくのでしようか。


ご覧になったことのない方は、新作のTVアニメシリーズもありますが、漫画にチャレンジしてみてほしいです。




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