越後妻有 大地の芸術祭 

2022年9月18日(日)


3日間で「大地の芸術祭」の2日目は

 

チャリです。

 

飯山線十日町駅の十日町市総合観光案内所Tocco-とっこ-」で借りました。ママチャリタイプの電動自転車「里チャリ」、1日1500円です。前日ネットで申し込みました。

 

 

 

自転車で巡るには広過ぎる芸術祭ですが、今日の本命の川西エリア、ジェームス・タレル「光の館」も含めてどこまで走れるかチャレンジです。
 
公式本に小さく記されていた自転車のモデルコースは十日町駅から南に下り北に上るコースで、所要時間は4時間。
 

十日町 

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Kiss&Goodbye(土市)
 ↓
絵本と木の実の美術館
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光の館
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Monet 
 ↓
十日町
 

午前9時過ぎに出発ですから、チャリの返却時刻の17時まで8時間、それなら倍くらいの場所を回れるはず、とざっくり考えて少し大回りのコースを周ることにしました。

 

十日町 

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Kiss&Goodbye(越後水沢)
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Kiss&Goodbye(土市)
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絵本と木の実の美術館
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光の館、ナカゴグリーンパーク
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節黒城跡キャンプ場
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Monet
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十日町

 

しかし始めから大失敗。

 

スマホのバッテリーをケチッて、紙の地図を見ながら走ったら走り過ぎました。

 

Google Map 使えば良かった。

 

 

 Kiss&Goodbye  ジミー・リャオ

この作品は、飯山線の2つの駅の駅前に設置されています。十日町駅からひとつめの土市駅と、ふたつめの越後水沢駅です。

 

最初に遠い越後水沢駅を目指しチャリで爆走していました。なかなか着かずおかしいと思いスマホで位置を確認したところ、走り過ぎて次の越後田沢駅まで半分くらいの地点まで進んでいたことが判明。引き返すことになりました。

 

越後水沢駅

 

展示はこの1ヶ所。心癒される作品なのですが、予定が遅れて焦っているので癒されません。

作品の側のテントにいるボランティアの方に「随分遠くからいらしたんですね。どうぞ。」と飴を頂きました。十日町から自転車というだけでも遠いのに、実は一駅分余計に走ったことなど口にも出さず、お礼を言って早速飴を口に入れました。糖分の補給は大事です。


ここからもう一駅分走ります。

 

土市駅

 

ここに着いたのが11時。見ての通り、ローカル線の駅なので小さくて遠くからは位置がわかりにくいんです。

 

2時間弱かかって、2作品。計画は順調ではありません。

 

次の目的地は山の中腹にある「絵本と木の実の美術館」。以前バスで来た時はウネウネとした山道を登ったことを思い出します。川を渡り、かなりキツイ勾配の坂道を駆け上がります。ここで、どの位の体力を消耗するかが、今後の計画を左右します。


ママチャリのアシストを「強」に設定。ダラダラ走ってもアシストがかかり逆にサクサク登れました。電動アシスト自転車に乗るは初めてだったのでちょっと感動。


坂道を途中で休むことなく一気に駆け上がり、11時30分に到着しました。

 

 

 絵本と木の実の美術館

絵本作家、田島征三の美術館です。「ちからたろう」とか、私は大好きでした。多作な方ですので一冊くらいは誰でも目にしているのではないでしょうか。その絵本の世界を三次元化するというのがコンセプトで、本当に立体絵本です。

 

 

 

木の枝、木の実などをふんだんに使い、教室、廊下、階段、行動を縦横無尽にバケモノ(?)が暴れ回っています。




動くオブジェや、動かせる道具もあり、子どものための空間です。これだけの表現量で満ちた空間にいると絵本とアートとの境界線など意味はないと感じます。

 

さて、この先、食事をとる場所が無さそうですので、食事代わりの軽い軽食をとることにしました。ドーナツとアイスコーヒー。

 

 


ここから川西エリア、本命の光の館へ出発です。今度は坂道を下るダウンヒルです。


いやー、気持ち良かったです。


あっという間に麓まで降りることができました。


ここから平地をひたすらチャリを漕いで爆走します。田んぼを抜け、トンネルを抜け、また田んぼを抜け、50分くらいかかって、また上り坂に。大分ペースは落ちましたが、緑の芝生が見えて来ました。

  

 

 ナカゴグリーンパーク

レイチェル・カーソンに捧ぐ〜

4つの小さな物語 藤原吉志子

 

 レイチェル・カーソン、「沈黙の春」をテーマにした作品です。鳥の顔、ウサギの顔の人、神殿などあるのですが、心に余裕がないと作品もなかなか入って来ません。この先の今日の目的をクリアするまでは、サラッと流します。

 

 

 光の館 ジェームス・タレル


 

日本にあるジェームス・タレルのパーマネント・コレクションのうち、これはとても質が高い。日本の伝統的な建築様式と美意識をとりいれています。宿泊もできます。

 

 

これはガラスのない天窓で空を見る作品です。雲がないと色彩がとても美しく変化するのですが、あいにくの曇りでした。しかし雨だったら屋根が閉じてしまい天井しか見えないことを考えると運は良かったと思います。


他の部屋も光の使い方が巧みで、やはり宿泊してみたいアート作品です。

 

 

 

作品の力なのか、ここまで来れたので落ち着いたからなのか、時間が静止したような感覚がありました。


光の館を出ると、小雨がパラパラと降ってきました。まだ走らなければならないのにヤバいです。

 

ナカゴグリーンパークからすぐ近くの節黒城跡キャンプ城に向かいます。地図で見ると分かりませんが、凄い高低差があります。熊出没注意の看板を見ながら坂道を上がって、下がって、上がって、また上がるという大変な道でした。ここでもママチャリの電動アシストが威力を発揮。なんとか辿り着きました。

 

 

 節黒城跡キャンプ城周辺

夏休みが終わったからか、台風が近づいているからか、人はほとんどいませんでした。不思議な感じです。キャンプ場に散らばっているアートを見ていきます。


空と大地の展望台 柳健司

 

 

 

4つの展望台の真ん中の石にこの地点からある場所までの距離が記されています。東京、札幌、ニューヨーク、月、冥王星。見えないところも見てみようという展望台です。とはいえ、木が生い茂りやや周囲の眺めが実際に良くないと、想像力で見るものなのに不便な気になるから不思議なものです。

 

詩人の瞑想の路 ジョゼ・デ・ギマランイス

 

広場に設置された立体彫刻には文学者の名前が入っています。緑に囲まれた中を歩きながら、古典的な文学作品に思いを馳せようという高尚な作品なのですが、暑さと疲労でアート鑑賞どころではなくなっています。それでも歩み続けます。

 

 節黒城跡

キャンプ場の先を登った所に節黒城跡の山城があります。資料を元に現代に建てた城です。アート作品ではありませんが紹介したい場所です。見張り用の山城で、開放しているので出入り自由、とにかく眺めが良い。




360度全方向、見渡しが良く、とても気持ちがいい場所でした。


これでキャンプ場は終わりです。これから帰路に向かいます。計画では、山を下り、信濃川を渡って飯山線沿い走りながら線路沿いの作品を見て帰るつもりです。


下りは順調。平地になってからが、大変です。東京と違って信号の間が長く人もいないのでスピードが出ているとなるべく止まりたくなくなってきます。その時、何かが目に入り込んできます。あわてて急ブレーキ。

 

境界の神話 内田繁

椅子のような動物のような遊具のようなオブジェが置かれ、柵のようなものに囲まれています。子どもたちの公園として作ったそうです。


ここからかなり北に大回りをして信濃川をわたり、飯山線沿いの一本道117号をひたすら南下します。下条駅、魚沼中条駅にある作品に寄るはずが、この頃は足よりお尻が痛くなってきて、早く自転車を返したい衝動が勝ってきました。

 

結局、作品は見ずに16時頃にMonETに到着しました。昨日見ているし、鑑賞時間も1時間ないので、まあ、いいか、となって、こちらもを通り過ぎて十日町駅に向かうことにしました。

 

16時10分頃、十日町駅に到着、観光案内所で鍵とバッテリーを返却しました。「大丈夫でしたか?お怪我はありませんでしたか?」と係の方に訊かれました。怪我はありませんが、なかなか大変な道のりでした。


案内所を出るとここにもアート作品が。


Winter Circlet    小松宏誠

十日町駅、西口にあります。チャリから解放されて見るアートは綺麗に見えます。走っている途中だったら、商店街の催事の飾りモノに見えたかもされません。



それにしても、よく走りました。一体何キロ走ったのかGoogle Mapを使って調べてみました。


 


総走行距離 51.1km


まさかの50km越え。始めに行き過ぎたのが効いていますね。あれがなければ、ここまで記録はのびなかったでしょう。


最初にキチンと計画を立てれば、こんなコースは走りませんでした。今度チャリで巡る時は、コンパクトで余裕のあるコース設定にします。うまく使えば、とても快適で充実した旅にできるでしょう。


2日目はアートブログではなくて、旅ブログになってしまいました。


 



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