ライアン・ガンダー「われらの時代のサイン」
東京オペラシティ アートギャラリー
2022年8月14日(日)
ライアン・ガンダーはイギリス生まれの現代アーティスト。日本での大規模な個展は初めてです。
インスタレーションとはよくいいますが、展示の仕方がうまく行き来がしやすくて、作品の同士もシームレスな配置になっていてどれも撮影したくなるような作品が多い。大きいもの、小さいもの、上に下にと撮影した時の構図もかなり計算されています。SNSで拡散してくださいとの張り紙もありました。
ということで、アーティストの意向にそって、写真中心でいきます。
グラファイト製の実物大人形。壁や衣服の汚れもグラファイトのものらしいです。
手をかざすとチケットが出てきます。
時を刻むカウンターです。白い光の線が時を表示しています。
ベルギーの抽象彫刻家、ジョルジュ・ヴァントンゲルローの作品を膨らませてピカピカのステンレス仕上げにした作品。形状も面白いですが、展示台が壊れ作品が傾いているのも作品です。
風船のレプリカ。
ここまで色がありませんが、モノクロ写真ではありません。
よくある目です。
黒板にチョークで描いてあるのは作者の考える美術・デザイン学校の図面。右下にはガリレオの絵が。
旧帝国ホテルの椅子を再現した作品ですが、座面の黒い点の方が重要で、ピクッと動く蚊の彫刻が乗っています。
鏡にかけられているのほ布ではなく、大理石。
石を売る自動販売機です。大人の事情で販売はしていません。
右下の丸まった紙も作品です。何と持ち帰りできます。
さっと並べましたが、いずれの作品のネタ(?)も展示リストに解説が入っています。2〜3行の説明ですので読みやすい。現代アーティストの作品ですとA4一枚にびっしり難解な文章があることもよくあるので、良心的(?)です。
一方でSNSについて、批判めいた内容の映像も展示しています。ただの感想ではなく西洋美術の自画像の歴史、インスタグラマーへのインタビューなどもあり、おもしろい内容でした。少し長い映像なのに意外に人だかりが切れず、見せ方がうまいと思いました。
4階の常設展示室も、ライアン・ガンダーが選んだ東京オペラシティ アート・ギャラリーの収蔵品展となっています。モノクロ作品のみを選び、本展と色彩のイメージをリンクしていて、いつも違う雰囲気で飽きませんでした。
表面をなぞっただけのようになりましたが、楽しさは十分伝わると思います。
もちろん掘り下げても面白いアーティストです。今後、間違いなく日本でも人気アーティストになるでしょう。
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