イサム・ノグチ 発見の道
東京都美術館
2021年6月19日(土)
私にとっては今年のベスト3に入る展覧会でした。日本での活動も長かったイサム・ノグチの作品は国内で見る機会も多いので、見たことも聞いたこともない想像を超えた作品が出てくることはないのですが、展示が素晴らしかった。
現代彫刻ですから壁を設けず動線もなく、3フロアのうち2フロアは撮影も自由。地下1階の展示室は中央に照明作品「あかり」を使ったインスタレーション。和紙を通して広がる柔らかな光は空間に安らぎをもたらします。展示される環境との関係を重視するイサム・ノグチの作品の世界観とも合っています。
企画展は混雑していて見るだけで疲れてしまい帰りに食事でもして元気を取り戻すみたいなルーチンが多いのですが、本当は館内でゆっくり美術鑑賞して癒されるというが理想です。コロナによる入場管理もあってそういう理想的な環境を実現した展示でした。
イサム・ノグチの作品は石や金属でも丸み、柔らかさ、ユーモラスさがあり、それでいて、熟練の技術による洗練された造形と質感、大胆なアイデアで斬新さがあります。個々の作品について書くのも野暮な気がしますので、撮影OKだった作品の画像をいくつか並べて終わります。会期は8月29日までですので是非実物をご覧ください。
ノグチについては劇的な人生を生きた方ですので、改めて伝記か何かを取り上げたいと思います。