本日2021年1月11日、
東京の現代アートの美術館、
原美術館が活動を終了しました。


私が初めて原美術館に訪れたのは学生の頃、
私は五反田駅から行く派(?)だった。

まだ現代アートって何?という感じで
当時はいつ展覧会へ行っても
ほんとに客が誰もいなくて、ガラガラ。
経営はどうなっているのだろうと不思議だった。

自宅から近い美術館だったでよく行ったし、
当時の日記に宮島達夫のインスタレーション「Time of Sea」を見た感動を書いた覚えがある。
きっと、このコラムも原美術館がなければ始めていない。

インスタレーションという言葉も一般的ではなかった。


ナム・ジュン・パイクのインスタレーションはモニャモニャした何ともいえな映像が出ていた。正直な感想でディスるつもりはないが、当時の技術で作る映像作品はそんなものです。そのうち調整中になり、今となっては懐かしい。

慣れてしまって全く見なくなった入り口の公衆電話、テレビ、もう使えないんだろうか。

取引先の会社を辞めた女性が、
受付にいた時は驚いた。

掲示板に「キュレーター募集」という貼り紙があり、そこで初めて「キュレーター」という言葉を知った。今考えると「アルバイト募集」みたいで面白い。エントリーした人いるんだろうか。

そのうち、おしゃれに改装され、カフェもできて
カップルが増えてデートコースの定番になった。

裏側の庭に入れなくなったのは
いつからだろう。
代わり窓から見える庭の景色は
美しくなったと思う。

宮島達夫のインスタレーションが、パーマネントコレクションとして設置されたのは嬉しかった。
レイノーの部屋、森村泰昌のトイレ、などどうなるんだろう。屋外作品は頑丈そうだから長持ちするかもしれない。



改めて改装して自宅にして住むとか。アート作品のあるモダニズム建築に住むことができたら夢のようだな。庭も綺麗だし。



原美術館の客層を見てると、日本人は変わったなあと思う。アートを見ても「これいくら?」という言葉しか一般の人からは出なかったけど、日本中に美術館ができ、各地でビエンナーレ、トリエンナーレといった芸術祭も開催され、現代アートがここまで受け入れられている。

品川の原美術館は閉館するが
美術館としての活動は
ハラミュージアムアークにて続いていく。
群馬県渋川の方はまだ行ったことがない。
コロナが落ち着いたら行ってみよう。

私としては東京における
現代アートの大原美術館みたいなって
欲しかった。

今はただただ感謝しかない。