アール・ブリュット2020特別展に行きました。
アール・ブリュットとは、正規の美術教育を受けていない人々の創るアートのこと。
特長は作品にみなぎる常人にはあり得ない細部から全体まで及ぶ集中力、熱量。
途方もないプロセスで作られていることも少なくない。
全ての出品者が良かったのですが
5名選んで感想を。
○渡邊 義紘
折り葉。折り葉とは落ち葉に折りと切り込みを入れて創る造形作品。3〜5cm程度の大きさの動物。象、犬、キリン、カバ、ライオン、ヘビ、など見て種類がわかるのはもちろん、胴体のボリューム感も表現されポーズもそれぞれ違う。練習なしで一気に作ってしまうそうです。とにかくよくできている。切り絵作品もあります。
○魲 万里絵
乳房や口など人体をモチーフにサインペンで描かいた作品。点描などを駆使した細密描写が画面一杯に広がり圧倒的。現代アートの目線でみても完成度が高い。
○Yasuhito K.
札幌の街の風景を同じ構図、同じ視点から描いた連作。素手で描いているとは思えない正確なパースとディテール。1〜2年に1回程度のペースで描かれているが、何故かだんだん描かれるものが減っており最新作では右半分が真っ白に。他者には理解できない作者だけの意図で進行するコンセプチュアルな作品。
○勝部 翔太
スーパーの食品の包装を留めるビニール紐で作った戦隊モノのヒーローやロボット。ビニール紐の表裏の色の違いをボディのカラーリングに効果的使っている。大きさは2〜3cm 程度。手には剣や槍、ライフルを持っていてホントにカッコいい。
○澤田 真一
身体中にトゲがついている謎の生き物の陶芸作品。空想の生き物なのに確かな存在感がある。これもなんの準備もなく一気に作ってしまうそうです。縄文時代の焼き物のような造形。火焔式土器を最初に作ったのは絶対アール・ブリュットのアーティストだと思う。
この展覧会は秀作揃いで有料でもおかしくないレベル。のんさんの解説が聴けるレコーダーも無料で借りれます。
⬛︎アール・ブリュット2020特別展
「満天の星に、創造の原石たちも輝く
-カワル ガワル ヒロガル セカイ-」
東京都渋谷公園通りギャラリー 展示室 1、2 及び交流スペース