ちひろ美術館に行きました。
・いわさきちひろ 子どものしあわせー12年の軌跡
瀬川康男は絵本画家の巨匠です。「坦雲亭」とは、田舎に引っこんで暮らした時の古民家につけた名前。自然の中で写生をし、無意識下に知識と技法を刻み、無心で描くことを追究します。「坦雲亭日乗」はそんな日々を描き留めた絵日記で、その内容を手掛かりに構成した代表作の原画とタブローを展示しています。
一枚の絵にかける集中力が尋常ではなく、描き込みが執拗過ぎて何かわからないほどの密度の作品もあります。でも本来絵本画家なので、絵本「ぼうし」、河童の絵などのようにパッと見た目で感じれば良いのかもしれません。
しかし、二階展示室の作品はそういう類いのものではありませんでした。「絵巻平家物語」とタブロー作品です。歴史物は時代考証が大変。瀬川康男は妥協しない方なので、100名を越える登場人物一人一人を丹念に調べて描いたそうです。
「絵巻平家物語(九)知盛」のテンペラ画は海上の戦、波の迫力がとても凄かったです。「女人像」「緋にとぶ」「夢にとぶ」「月にとぶ」などのタブローも1点の作品としてのレベルが違っていて、このまま国立近代美術館に展示しても違和感、遜色がないと思いました。
ちひろ美術館は絵本画家いわさきちひろの美術館です。企画展とちひろの作品展の2つで構成されています。以前はいわさきちひろ絵本美術館という名前で、世界中の絵本作家を紹介し、コレクションしてきました。名前は変わっても国内外の絵本画家の企画展を続けています。
今日は先日訪れた板橋区立美術館 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展のチケット割引で入館。1000円→700円 おトクでした。