姜尚中の「悩む力」 | 週末作家のひとり言

姜尚中の「悩む力」


◇第16回「東京国際ブックフェア」にご招待いただき、姜尚中さんの
 講演を聴かせていただいた。いい講演だった。著名人であり、「朝ま
 で生テレビ」での論客でもあるので、テレビネタを多用して、得意の
 政治李儀学の話でお茶を濁すのかな、と思っていた。

◇ところが講演の内容は、出席した出版社の社長のために、よく考えた
 ものであり、ちゃんと出版業界への「生きた提言」になっていた。

◇たとえば「古典に注目してリサイクルしよう」というもの。「悩む力」
 は、現在80万部のベストセラー。年内にミリオンは間違いない。そ
 の本は、「ウェーバーと漱石をクロスさせた内容」だという。そこが
 新しい。

◇姜先生は語った。「五年前だったらこの本はヒットしなかった。せい
 ぜい10万部(おいおい、それでも凄いぞ)」

◇ところが姜先生は、自分の「原点」についても、ちゃんと語ってくれ
 た。1980年代前半。最初に出した本は初版で500部。自費で作った
 本だったという。3刷までいって絶版となり、名が知られた後で岩波
 文庫で復刻したという。

◇みんな苦労して大人になるのである。勇気づけられた。早速「悩む力」
 を、アマゾンで注文した。