マズローのニーズヒエラルキーについてご説明してきましたが、
そのニーズヒエラルキーを使った消費者セグメンテーション方法の
4Csを今日はご紹介したいと思います。
4CsというのはCross Cultural Consumer Characterisationの4つのCをとった略語です。
Cross Cultural Consumer Characterisationは、
「異文化に共通する消費者特性」と訳すのが一番よいかと思います。
この4Csは、アメリカのヤング&ルビカム社が開発したセグメンテーション方法で、
マズローのニーズヒエラルキーを使って、消費者を7タイプに分けます。
どう分けているかを、一表にしてみました。
マズローのニーズヒエラルキーを使ったセグメンテーション方法のメリットとは一体何なのでしょうか?
以下のことがメリットとして考えられます。
1) どの時代にも共通する人間の基本的価値に基づくセグメンテーションのため、いつの時代にも使える。
2) ユニバーサルな人間の基本的価値をベースにしているので、文化の違いを考慮せず、万国共通である。
3) ブランドユーザーのセグメント構成を調べることで、ブランドユーザーがブランドに見出している消費者価値
を理解できる。
4) ターゲットとするセグメントを決めれば、自動的に提供すべきブランド価値やブランドアイデンティティが
決められる。
また、4Csが興味深いのは、
イノベーターとなるセグメント、アーリーアダプターとなるセグメント、マジョリティとなるセグメント、
ラガーとなるセグメントが定義されており、採用カーブの流れが理解できる点です。
改革者(中高年層)と探求者(若年層)がイノベーターセグメント
成功者(中高年層)と切望者(若年層)がアーリーアダプターセグメント
主流者(中高年層)がフォロワー&マジョリティセグメント
退職者(中高年層)と苦闘者(若年層)がラガードセグメントとなります。
従って、新商品採用の流れは以下のようになります。
中高年層の場合: 改革者⇒成功者⇒主流者⇒退職者
若年層の場合:探求者⇒切望者⇒苦闘者
今まではデモグラフィックセグメンテーションやベネフィットセグメンテーションが主流でしたが、
消費者が求めている最終的価値をベースに、セグメンテーションを試みている点が
大変ユニーク&画期的だと思います。
次回から、この4Csの各セグメントの特徴を1つずつご紹介したいと思います。