とにかく「親に話す」こと――

私としては、そう言うしかない。

M子は決心しかねたまま帰っていった。


仕事が終わる頃、

「conbour先生、ちょっと」

私は教室長のN森に手招きされ、彼とバックヤードの給湯室で二人きり、椅子に座って向かい合った。


「さっきM子と何話してたの?」

「あー、いえ、別にたいしたことでは」

「いやいや、何かあったんでしょ、あれは。絶対そうだよ」

意外にも勘のいいN森にしつこく詰問された。


「あいつ、最初オレに話しかけてきたんだよ。何の話か知らないけど、最初はオレに言うつもりだったんだ」

確かにそうだ。それは私も知っている。

「ここだけの話にするから。もしもヤバい話なら尚更のこと、教室長として『知らなかった』ではすまされないだろ?」

うーん、たしかに・・・M子との約束ではあるが、私一人で抱え込むべき問題ではない。

私はN森に打ち明けた。

 


(中央、グレーの背広がconbour。その左のメガネの男性が教室長のN森。ちなみにこの事件?の10年後くらいに、他県にある別の教室で撮ったもので、たまたまN森教室長とまた一緒に働くことになった時の写真である)


 

私から話を聞くと

「あっちゃあああ!」

N森は顔をしかめて頭を抱え込んだ。

「聞くんじゃなかったァ」

そりゃあそうだ。もし聞いてさえいなければ、問題が発覚した際に、「知らなかった」という言い訳だけは通る。聞いてしまった以上、何らかの対応策をとらないと、放置しておいて取り返しがつかないことになった場合、その「非」は弁明する余地のないものになってしまう。それは私も同じなのだ。(続く)