そうそう、(話の途中だが)もう一つ、印象深かったエピソードを書くのを忘れていた。

ある時、担当しているFクラスの授業の直前、M子がやってきて

「conbour先生、これ、F本君に渡してもらえないかなあ」

と言って封筒を差し出した。

「なにこれ?」

「手紙」

「手紙? F本への?」

「そう」

「手紙なら自分で渡せ」

「だって・・・」

「だってじゃないよ。なんで自分で渡さない?」

「お願いだから、先生」

「ダメ」

「お願い、ねえ、お願い」


とまあ、こんな調子なのだ。

結局根負けし、「渡すだけだぞ」と封筒を受け取った。

授業後、教室から出ていこうとしているF本を呼び止め、

「これ、M子がお前に渡してくれって」と言って封筒を手渡すと

F本は黙って受け取ったが、なんだか迷惑そうな顔だった。

職員室に戻ると、待ち構えていたM子がさっそく

「渡してくれた?」と。

「うん、渡したよ」と答えると

「ありがとう、先生」

もう思い残すことはない、と言ってM子は泣きだした。

なんなんだ、一体? 「もう思い残すことはない」って、なんだよそれ???

もう支離滅裂なM子である。

脇道に逸れた。肝心な点に話を戻そう(続く)