その日も私とOとYの三人は、放課後誘い合わせて大急ぎ
グランドピアノの待つ音楽棟へと駆けていった。

音楽棟といっても、体育館の裏手にある、音楽の授業がない時にはあまり人気のない場所に立つ、1Fと2Fにそれぞれ音楽室が一つずつあるだけの古びた木造校舎なのだ。


「ヤッホー!」てな感じのハイテンションで一番乗り、いつものように胸の高まりを覚えつつ、1Fの音楽室に鎮座まします黒光りするグランドピアノの鍵盤の蓋に、私は手をかけた。

ガツッ・・・


いやな手応え・・・

鍵だ、くそっ、鍵がかかってやがる。

ときどきあるのだ。なぜか蓋に鍵がかけられていることが。

「しゃあない、二階に行こ」

一階が駄目な時は二階がある。二階のグランドピアノに鍵がかかっていたことは一度もない。

ただ二階のピアノは古くて、弾いているとよく「ビーン」と不吉な音を立てて弦が切れるのだ。もちろんその後はその鍵盤を叩いてもカタッというばかりで音は出ない。だからできれば1Fの新しいピアノで練習したいのだが・・・

やむを得ず2Fに駆け上がった我々三人組は、そこでアッと驚いた。

なんとなんと、教室の入口の引き戸に錠がかけられているではないか!


こんなことは初めてだった。

(ハアァ・・・)

三人でひどく落胆した。

だが諦めきれない私は、決然として言った。

「かまうもんか、ドアごと外しちまえ」

 

それがマチガイのもとだった(続く)