高級お肉を食べた日のこと教えて!

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「違いの分からない男」である私は「バカ舌」「子供舌」で、かつカレーやたこ焼きなどが好きな人間なので、肉やら刺身やらの質・味の良し悪しは分からない。
が、奥さんはそれらに厳しい(彼女の父親は高校教師、母親は田舎の雑貨店を経営していたので、決して「お嬢様育ち」というわけではない)。
以前、近所に開店した「食べ放題千何百円」みたいな焼肉店に連れていき、私はソフトクリーム食べ放題に大喜びしていたのだが、奥さんは妙に口数が少なかった。
食事を終えて店を出ると、開口一番、「『あんな肉』を私に食べさせて」と愚痴をこぼされた(^▽^;)
 
ここまでが枕で、以下、本日のテーマ「高級お肉を食べた日のこと」
 
 
これもだいぶ昔、鎌倉にドライブに出かけた際、
「もやもやさまぁ~ず」(さまぁ~ずの二人とアナウンサーの大江麻理子が各地を訪れ、現地のいろんなお店に入ってみて面白リポートをする番組。食堂やレストランで飲み食いするコーナーもある)の中で、三人が「ここはちょっと敷居が高い」と言って、入店をたじろいでいた(「たじろぐ演出」なのだろうが)ローストビーフの高級店本店に入ってみたくて、ナビに案内させて行ってみた。

 

ここ。動画で観る雰囲気は当時とほとんど変わらず。上品だが、値段が無茶苦茶高いというわけではない。

 

ところが、私がナビに住所を入れる際、似た名前の違う場所を入力してしまったらしく、行ってみたあたりにそれらしき店が見当たらない。間違いに気づき、慌てて再入力し、どうにか行き着くことはできたのだが、駐車場(行かれた方は知っていると思うが、崖っぷちの、車が落っこちそうで怖いあの駐車場である)に到着した時には、もうランチタイムのラストオーダーぎりぎりだった。

店の玄関まで少し歩くので、「急いで急いで」と急かす私に、

「私はこんなふうにバタバタするのが一番嫌いなの!」

と、奥さんは怒り心頭、鬼の形相である。

(あー、やっちまった(>_<)・・・)

と、しょげかえった私だが、白いコック帽をかぶったコックさん自ら席に来て切り分けてくれたローストビーフを頬張った途端、奥さんのこわばった顔がゆるんだ(人間の表情があれほど「瞬時に」「劇的に」変わったのを見たのは初めてだ)。

 

店を出た後も、ご機嫌になった彼女は車の中で肉の味と質を褒めつづけ、私の失態の記憶は完全に意識から消失しているかに思われた。

(ありがとう、お肉・・・)

私は心から肉に感謝した。

ちなみに、そのローストビーフがそんなに美味いものだったのかどうか、違いの分からない男である私には、やはり分からないままであった。