「兼ねて聴けば即ち明るく…偏り聴けば則ち蔽し…その情報がなければ危うくメッセージを見逃す所でした…」




今回は2021年12月8日発売、サンデーFILE.1083「境目の思い出」の考察を書きます。




1. ダイイングメッセージを読み解く(犯人は○○で確定)

2. 犯人のアリバイ

3. 凶器の隠し場所

4. 犯行の動機は?




1. ダイイングメッセージを読み解く(犯人は○○で確定)




まず結論から書きますが、犯人は中田由水で間違いないと思います。サンデー1話目の時点で『中田由水』を縦に書くと、真ん中に棒が入る事に気づけば、1話目だけで犯人は予想できるでしょう。


しかし、1話目でそれに気づけなくても2話目を読めばしっかり推理できるように物語が作られてますから、2話目の情報を出発点にして犯人を推理したいと思います。




コナンのヒント



まずは「被害者は犯人を名指ししてたんだ…朽ち果てた自らの体を使って…」というヒント。このセリフにより、作者は読者側に『被害者が自分の体を使って犯人を示すダイイングメッセージを残した』事を提示してくれています。


また、『名指し』というワードから犯人に関係のある物ではなく、犯人の名前を直接残したという事も教えてくれています。




被害者が県境のライン上にいる事に意味がある



さらに1話目で、被害者が殴られながらも、ライン上にピッタリ倒れた事が描かれており、被害者のダイイングメッセージは『ライン上に乗っかる事で始めて完成する』という事もわかります。




ヒロ「ミッちゃんのお家だ」の意味

 


次にヒロの「ミッちゃんのお家だ」というセリフの意味を考えてみます。


与えられた情報は

・『入り口』と書かれた看板が縦を向いていた

・『口』の字は消えかかってカタカナの『ニ』だった

・看板は県境上にあった


一見すると情報多いなあって感じますが、わざわざ青山先生は『入り口』と書かれた看板を縦にしたコマを大きく描いてくれています。しかも、『口』はほぼ『ニ』になっています。


ですから、『看板は県境上にある』という情報さえちゃんと読めば、このコマとにらめっこするだけで解けちゃうんですよね。


縦にした『入り口』の看板に県境を示す縦棒を継ぎ足すと、↓みたいになります。これを顔を左に90°傾けて見ると、『ミサオ』の文字が読めますね。




ここまでわかると、山村「僕の名前はカタカナでミサオですから…」というセリフを入れたのも、この暗号を解きやすくするために"名前を強調している"のだろう、ということまで推理できます。


…というわけで、ヒロが『ミッちゃんのお家だ』と思ったのは、小屋の出入り口に『ミサオ』という名前が書かれていたからだったんですね!




被害者のダイイングメッセージ



『入り口』に県境の縦線を継ぎ足すと『ミサオ』と言う名前が浮かんできたので、同じように『ダイイングメッセージ』に県境の縦線を継ぎ足すと犯人の名前が浮かんでくると考えられます。


この時点で犯人は名前に縦線が入る中田由水一択ですね。


中田由水の漢字から縦棒を除けば残るのは、『口』『日』『日』『フ』です。『口』はそのまま開いた口で、『フ』はFILE.1083で強調されたブーツで表現したんでしょうけど、残った2つの『日』をどうやって表現しているのか…これはうまい説明が難しいですね。


とりあえず縦棒は体の端で間違いないと思うので、残り4本の横棒を何で表現しているのか考えないといけません。



ベルトと腕時計のバンド


ベルトと腕時計のバンドが横棒なのは確定ですかね。腕時計を内側にしたのは、文字盤のある側だと綺麗な横棒にはならないからでしょうか…


ただ、もしそうならFILE.1082で「時間を確認してる?」というセリフとは矛盾する気がします。時計のベルト側を上にしさえすればいいのなら、時間は何時でもいいわけですからね。


しかし、時間をダイイングメッセージにうまく組み込める説明が思い付きません。また、時間をダイイングメッセージに組み込んだのなら、「朽ち果てた体」以外にも時計も使ってダイイングメッセージを完成させた事になります。もしそうなら、「朽ち果てた体と時計を使って」というセリフじゃないと合わない気がします。


被害者が時計の時間をいじっているというのはコナン側の解釈であり、時間をいじったわけではなくただ単に時計の文字盤を内側にしただけだったとも考えられるのではないでしょうか。 


従って私は、時計の文字盤はダイイングメッセージに関係ない、と考えました。



両腕で横棒を表している?


両腕で横棒を一本ずつ表している、というもあり得るかな、と思ったのですが、どっちかというと腕は縦に近いので微妙ですね。またベルト、腕時計のバンド、両腕を合わせても2本足りませんし…



 ◇胴体と足で『口』を表している説


という事でしばらく頭を悩ませていたんですが、『日』の口の部分がそれぞれ胴体と足なのではないか、という結論に至りました。


つまり、胴体の輪郭が『田』の『口』で、ガニ股が『由』の『口』じゃないでしょうか。ガニ股は膝の部分で折れ曲がって角張ってますけど、人間の体の構造上仕方ないのかな、と思いました。


この場合、『田』の『口』に関しては腕時計のバンドの横棒を足して『日』になりうまくいきますが、『由』の『口』に関しては、ベルトの位置が上過ぎてうまくいきません。


しかし、被害者が右腕でベルトを掴んでいたのが「ベルトの位置を下げろ!」という意味なら、『口』にベルトの横棒を足して『日』になります。



(腕は省略)




長くなったので、まとめると

中→県境の線+口

田→県境の線+胴体の輪郭+腕時計のバンド

由→県境の線+ガニ股+ベルト

水→県境の線+ブーツ


だと私は結論づけます。








2. 犯人のアリバイ



犯人は中田由水で確定だと思うので、中田由水のアリバイだけ着目します。


中田由水の『被害者が殴られた時に中田由水の影が窓に映っている』というアリバイですが、これは恐らく、窓に自分の形に型どって何かを貼ったんでしょう。裁縫道具を持っていたようなので、布を貼り付けたと考えるのが自然ですね。


そもそも、今回の犯行は計画殺人ですから布をあらかじめ持ってきていたんでしょう。



今回の犯行が計画的であったと言える根拠


計画殺人である根拠を一応述べておきます。いくつか根拠は考えられますが、ここでは


・犯行の動機が弓場千津さん絡みである事

・防犯カメラの存在を知っていた


という2点について言及します。



まず1つ目ですが、言うまでもなく弓場千津さんが動機ですよね。そうだとすれば、殺意が芽生えたのは冬名峠ホテルに来てからではなく、来る前になります。


2つ目について、FILE.1082で『犯人は被害者を殺害した後、"後退り"で防犯カメラからフレームアウトしている』事が描かれていました。後退りでフレームアウトしたのは、防犯カメラに対して正面を向いて顔が映ってしまうのを避けるためですから、犯人はあらかじめ防犯カメラの存在を知っていた事になります。


つまり、隠しカメラの存在を知った上で、敢えて監視カメラに映る場所で犯行を行ったという事になります。


ではなぜ監視カメラに映る位置で犯行を行ったのか。それこそ、自分の影を監視カメラに映してアリバイを得るためでしょう。




3. 凶器の隠し場所



結論から言いますと、凶器の隠し場所はお団子ヘアの中だと思います。以下、根拠を述べます。




写真ではお団子がない



2回目読んで気づきましたが、1ヶ月前旅館に行った時に撮ったという写真に映っている中田由水にはお団子がありません。


私はこの部分でまず違和感を感じて、凶器をお団子の中に入れてるのではないか、と考えました。


刑事達の話によると犯人は、硬くて重い何かを、ブラックジャックのように使用したようなので、鉄球をお団子の中に隠しているのではないでしょうか?



中田由水の行動の違和感



凶器がお団子の中にあるのだとして、もう一度じっくり読み直すと、もう1つ中田由水の行動に違和感が生まれます。


それは『小五郎が落としたスマホをしゃがんで拾った事』です。普通、物を拾う時って、膝は曲げないで、前かがみになって拾いませんか?コナンの頭を撫で撫でした時も、膝を屈めていました。


これは、お団子ヘアーの中に重いものを入れていて、前屈みになると重みでお団子が垂れ下がってしまうのを恐れた、のではないでしょうか。


この推理が合ってるとすれば、小五郎がスマホを落としてしまったというシーンにもしっかり意味があった事になりますよね。逆に、小五郎がスマホを落とすシーンが何のヒントにもならないのなら、こんなシーンを数コマ入れる必要がありませんし…



スマホ2台持ちの意味



あと気になったのがスマホの2台持ちなんですよね。これに関しては全然繋がりが見えて来ませんね。スマホが凶器だと見せ掛ける為だけの、単なるミスリード演出なんでしょうかね。


過去に及川武頼が仕事用とプライベート用で携帯を使い分けてる、と嘘ついて片方は被害者の携帯でした、パターンがありましたけど、今回の場合容疑者3人共が2台持ちなので、当てはまりませんし…





4. 犯行の動機は何?



既に書いたように犯行の動機はどう考えても弓場千津さん絡みですよね。

花山『一週間前の千津の誕生日、千津がマンションの階段で転落し、今も意識不明。その時、月島が挙動不審だった』という内容から、この事故が月島の過失により引き起こされたものである事は明白です。


 

千津さん意識不明事件の真相


千津さんが意識不明になった事件の真相を推理してみます。まあこれに関してはノーヒントに近いので推理っていうよりは予想ですけどね…笑


ポイントは

・その日は千津さんの誕生日だった事

・月島のマンション階段で落ちて倒れていた事

・月島が動画の視聴回数を稼ぐ事に取り憑かれていた事

の3点だと思います。


この3点から私は、

『月島は派手なクラッカーみたいな物で千津さんを驚かせてその様子を動画で撮ろうとした。しかし、いきなりクラッカーを鳴らされた為に、千津さんは驚いて階段から落ちてしまった』

というようなストーリーを想像しましたね。


この真相は間違いなくFILE.1084で犯人が語ってくれるでしょうから、楽しみに(なんか不謹慎…?笑)待ちましょうかね笑



『奇跡の脱出劇』は事故?事件?


1週間前の出来事が月島によって引き起こされたものなら、素直に考えると、千津さんと出会うきっかけとなった5年前の事故も実は月島が仕組んだものだった、と結論づけられそうですよね。


ですが、私は月島が引き起こしたものではない(純粋な事故)可能性も0ではないかなあ、と思います。


その理由を述べますが、少し非論理的、というか感覚的な内容になってます…


もし5年前の事故が月島が仕組んだものだとすれば、月島は千津の母を殺害し、5年もの間その事を黙って千津と交友関係を続けていた事になります。さらに、動画配信をそれでも続けていたわけですから、アクセス数のためなら人の命を何とも思わない冷酷非情な人物という事になるます。(作中で言うところの大鷹和洋や室橋悦人タイプ)


そんな人物なら、千津を階段から落としてしまっても、挙動不審にならないで平気な顔してるんじゃないか、と思ったんですよね……


といいつつ…まあ月島が起こした事件と見てよさそうかな…




犯人が県境を犯行現場に選んだ意図


最後になぜ犯人はこの場所を犯行現場に選んだのか、その意味を見ていきたいと思います。


先程、「犯人がこの場所を犯行現場に選んだのは、自分のアリバイを得るのに都合が良いから」という風に書きました。しかし、動機を踏まえるともっと深い意味があるのではないか、と思えてきます。


それはつまり、犯人は殺害シーンを監視カメラに収めたかったのではないでしょうか。


『自分の動画再生数を上げるためなら他人の命を奪うシーンを動画(カメラ)に収める事すら厭わない。それなら、てめえの命を動画(監視カメラ)に捧げろ!』という犯人の報復の感情が色濃く現れているのではないでしょうか。



まあ目の前の物に取り憑かれて大切な物を見失ってしまった人の哀れな末路といった感じですかね。これまででも「そして人魚はいなくなった」「絶叫手術室(オペルーム)」「時の番人の刃」など、何かに取り憑かれるあまりに大事な物を見失って殺されてしまう奴、何人か出てきてますねー。


本当に大切な物は何か、見失わないで生きよう!というメッセージ性が込められた話なのかもしれませんね。




今回の考察は以上です!

読んで頂きありがとうございました👍️