「(今日はポケットで…ええ子にしといてくださいね…マロちゃん…)」



今回は2022年3月9日発売サンデーFILE1089.「半開きの扉」について考察します。 


以下の6パートに分けて書きました。

1. 毒を飲ませた方法

2. 睡眠薬を飲ませた方法

3. 密室トリックと犯人

4. 動機

5. 伊織と黒田について

6. 黒田のキャラクター性





1. 毒を飲ませた方法



FILE.1088では、「枕元に毒の入ったペットボトルの水を置いた」のではないかと書かれていますが、これは確定と見ていいのか…まずはこれを検証します。


まず、「部屋に転がってたペットボトルの水から青酸カリが検出された」と綾小路が言ってるので、これは確定です。



見せかけた可能性は?


もし「ペットボトルに毒を入れたと見せかけた」とすれば、本当は別の物を使って毒を飲ませた事になります。今回のエピソードで出てくる食べ物はピザと飴なので、このどちらかに毒を混ぜた事になります。


ピザに毒を仕込む

小五郎曰く、株本が切り分けて持って来たピザにかじった跡はなかったそうなので、ピザは食べてないと思われます。


黒田が「口元からガーリックとチーズの匂いがした」と言っている事から、本当は食べてたのではないか?とも考えられそうですが、その偽証をしようと思ったら、あらかじめ余分にピザを頼んでおいてかじった物と新品にをすりかえないといけなくなります。


そこまでして偽証をする意味がわかりませんし、その手の偽証をしたのならそこに行き着くまでの情報をもっと提示するはずです。


従ってピザに毒を仕込んだとは考えにくいでしょう。


飴に毒を仕込む

FILE.1089において『イタズラで別の味の飴玉を渡したら気づいた』『睡眠薬をまぶしたらバレる』とあります。もし飴に毒を仕込んだのだとすると、『睡眠薬の味の異変には気づくのに、毒の味の異変には気づかない』事になってしまいます。従って飴に毒を仕込んだのも考えにくいでしょう。




となると、毒入りの水で毒殺されたのは確定と見ていいでしょう。


しかし、枕元にペットボトルの水を置いていたからと言って必ず飲むかは微妙です。そういう癖を持った人なら例外的にやるかもしれませんが、株本にそういう癖があるとは書かれていません。 


自然に飲んだのではないとすると、

・寝ている株本の口に毒入りの水を無理矢理流し込んだ

・寝ている株本の口に毒を直接入れて水で無理矢理飲み込ませた


この2パターンが残ります。


ただコナン曰く『毒を入れたら混ぜるはずなのに、キャップの内側は濡れていなかった』らしいので、後者の方が有力な気がします。


後者の場合、落ちていた水に毒が入らない事になってしまいますが、株本を毒殺した後にペットボトルの水を床にぶちまけそこに毒の粉をかければ、あたかも水に元々毒が入っていたかのように見せかけられるんじゃないでしょうか。




2. 睡眠薬を飲ませた方法



1.で書いたように、株本は本当にピザは食べていないと思います。しかし


黒田「本当に食べなかったんでしょうか?株本さんの口の匂いを嗅いだ時にアーモンド臭と共に匂ったんですよ…皆さんが食べたピザの…ガーリックとチーズの匂いがね…」


とあります。ではなぜ、ピザを食べていないのに口元からピザの匂いがしたのか?口元からピザの匂いがしたという事は『ピザの味がするピザではない物を食べたor口に含んだという事』になりますよね。


ここで思い出したいのが

・株本は飴を愛用していた事

・株本はダイエット中だった事


これらのヒントを踏まえると、思い付くのが「空腹だがダイエット中なのでピザを食べる事ができない株本に、(ピザを食べたいという衝動を少しでも抑える為に)ピザの味がする(睡眠薬入りの)飴玉を渡す」という方法です。


この方法により犯人は株本が寝るように仕向けたのだと思います。




3. 密室トリックと犯人



今回は自信ありません笑


まず

「この現場は元々密室だったんじゃねぇ…犯人が密室に変えたんだ!!」

「オレらが見てる目ェの前でなァ!!」

というヒント。


コナンと平次の目の前で密室にしたという事は、FILE.1088で扉の前に集まっていた時に犯人が細工をして、密室を作り上げたと考えるのが自然です。この時の状況を思い出すと、


・扉を半分まで開けると何かがつっかえて開かなかった(平次も確認済み)

・扉の下から株本がいつも来ている服と同じ柄の布が見えた


となると、扉を開けた時点では遺体は扉の側にはなく、遺体以外の物でつっかえさせていた。その後、半開きの状態にし、遺体をドアの側まで寄せて、遺体でつっかえていたかのように見せかけた、ということなのかなと思います。



ドアを突っ返させていたもの


ではドアを突っ返させていた遺体以外の物とは何か…?

それこそが『音もせんとポーンって高く弾むキャンディ』だと思います。


高く弾んだという事からこのキャンディはキャンディに見せかけたスーパーボールだったのだと思います。スーパーボールはゴムでできているので、棒キャンディならぬ棒スーパーボールを、棒がドアの下の隙間に入る向きに置いておけば突っ返てドアが開かなくなるんじゃないでしょうか。


これだとドアの下の隙間から棒スーパーボールの棒が出て来てしまいますので、ドアのそばにいた犯人が自分の足でその棒を隠したのかもしれません。



棒スーパーボールは株本の趣味?


このトリックだと疑問になるのが、遺体を突っ返させていた飴がなぜ密室の部屋の机の上にあったのか。現場に入ったのは黒田と小五郎だけであり、犯人が机の上に戻す時間はなかったはずです。従って、棒キャンディならぬ棒スーパーボールは複数あった事になります。


すなわち、犯人が密室にするために棒スーパーボールを用意したわけではなく、元々見た目が棒キャンディに似ている棒スーパーボールを株本が面白半分で複数購入したor集めていたのではないでしょうか。それを犯人が今回の犯行に利用したのだと思います。


棒キャンディを愛用していた株本なら、面白半分で棒スーパーボールを買う行為は理解できます。



遺体をドアの側に寄せた方法


飴玉でドアを突っ返させた後は、遺体をドアの側まで寄せなくてはなりません。ここで思い出されるのが、半開きのドアの下から出てきた株本の来ていた服の布です。


単純に考えるとドアの外からあの衣服を引っ張れば遺体を寄せて来る事はできそうですが、そんなに都合よく衣服がドアの下から出てくるかは微妙です。


となると、

『株本の服と同じ柄の布を用意し、その布をドアが半開きになった時に少しだけ出るような位置に広げておく。その上に株本の遺体を置く。ドアを半開きにし、出てきた布をドアの外から引っ張り、遺体をドアの側に寄せた。』と考えるのが自然かと思います。



犯人


このトリックが出来るのはドアに一番近い所にいた人物。従って犯人は稲場玲佑だと思います。



従って稲場の行った犯行は

①株本に睡眠薬入りピザ味棒キャンディを渡す。

②株本は睡眠薬により自室に戻り寝る。

③打ち合わせを抜け、株本の部屋へ行く。

④睡眠薬で眠っている株本の口に青酸カリの粉を直接いれ、水で飲み込ませる。

⑤ペットボトルを余った水ごと扉の側にぶちまけ、その水にも毒の粉をかけ自殺に見せかける。

⑥株本の衣服と同じ柄の布をドアが半開きになった時に少しはみ出す位置に置く。

⑦株本の遺体を布の上に乗せ、棒スーパーボールを置き、部屋を出る。

⑧株本を起こす事になり、扉の前に言ったらドアを開け、服部達にもドアが開かない事を確かめさせる。

⑨黒田、コナン、服部がベランダに向かったら半開きの部分に足or手を入れ、棒スーパーボールを回収する。

⑩はみ出した布を引っ張り遺体をドアに寄せる。

⑪そのまま布を引っ張り布も回収。

 



4. 動機



行田仁香は自殺?他殺?


まず、行田仁香の事件についてですがFILE.1088の考察では


・演出家の株本が女優の行田に対し無理な演出を強制し、それに悩んで行田が自殺。犯人は行田と付き合っておりその復讐をした
・株本が行田を自殺に見せ掛けて殺害し、犯人はそれと全く同じトリックで株本を殺害した
・行田も株本も同一犯に殺害された

この3通りが考えられ、どのパターンなのか絞れませんでしたが、軽尾「あの後、株本ちゃん…この探偵物の舞台止めにするってしょげてたよね…」とあったので、行田の死は自殺と考えてよいでしょう。


株本のセリフの真意

まず
軽尾「突然自分がなめてた棒付きキャンディを見ながら叫んだんだ!」
木俣「確かこう言ったよな?」
軽尾,稲場,木俣「そうかわかった!!この舞台は絶対に当たる!!」
というセリフ。

そして、このセリフの後に『やめるつもりだった舞台をやると言い出した』という事。

探偵物の舞台という事はトリックとか出てくるでしょうから、株本は行田が亡くなった時の密室状態を飴玉を使って作るトリックを思いつき、そのトリックを舞台でやれば話題になって大成功するはずだ!と考えたのでしょう。

つまり、「そうかわかった!!この舞台は絶対に当たる!!」とは「そうかわかった!!行田が自殺した時の現場の状況を殺人によって作り出せるこの奇想天外なトリックを舞台でやれば、そのトリックが話題になって舞台は必ず成功する。」という意味だったのだと思われます。


動機

しかし、これを舞台でやる事は行田の自殺を利用しているのも同然であり、故人への冒涜とも取れます。また、この舞台をやることで下手すれば、行田の事件も他殺なのではないか?というような事が言われ始めるかもしれません。

この為、犯人は株本の案に反対したものの、株本は無理矢理この舞台をやろうとした為にやむなく殺害したという事でしょう。

稲場「行田さんの自殺を利用した舞台は死者に鞭打つ行為だ!彼女を安らかに眠らせてあげるべきです!」
株本「彼女は根っからの女優なんだ…彼女の死を題材にしたこのトリックで舞台が成功すれば、彼女も草葉の陰から喜んでくれるさ!ハッハッハッ!!」

みたいな感じですかね…


5. 伊織と黒田について


伊織は元ボディーガードだった?

アシモブ「伊織さん…車、降りた後いつもそれやったはりますけど…何ですの?」
伊織「あ、いえ…癖のようなモノなので…お気になさらず…」

伊織は車から降りるとつい周りを見渡してしまう癖があるようです。周りを見渡す癖は恐らくボディーガードの癖だと思います。周りに不審物,不審者がいないか、車を降りると確認する癖がついているのはボディーガードなら納得です。


黒田の仕草を真似た可能性

そして恐らく伊織のこの癖は「黒田の癖が移った」と考えられます。その根拠は
・FILE.1088の考察で書いたように、黒田は大岡家と知り合いであった事から(インターポールよりも)元ボディーガード説の方が濃厚
・FILE.1088の時、伊織は黒田を『私より数段頼りになる方』と表現しており、これは「黒田の強さ」を実際に目の当たりにしてそう思ったのではないか?

と考えられるからです。すなわち、黒田の強さを目の当たりにし黒田に対して尊敬の感情を抱いていた伊織は、ついその黒田の行動を真似てしまうようになったのではないでしょうか。


伊織と黒田の共通点

「黒田が元ボディーガードであり、その仕草を伊織が真似て癖となった」説を裏付ける根拠がもう1つあります。それは、服部「このおっちゃんいつの間に?」というセリフ。

私はこれを見た時に伊織の初登場シーンと似ているな、と感じました。92巻「謎解きは喫茶ポアロで」より
服部「な、何やコイツ…」
コナン「気配が全くしなかった!?」
というシーンです。

気配を消す能力なんて真似てできる物なのか微妙ですが、青山先生が2人がどちらもボディーガードである事を示す布石としてこれら2つのシーンを描いた可能性は十分にあると思います。


6. 黒田のキャラクター性


以上で考察は終わりなのですが、最後に黒田兵衛というキャラクターの性質について掘り下げたいと思います。

真面目すぎる
FILE.1088、舞台について意見する際「刑事がお礼に飴玉をもらうのは収賄罪にあたる」と指摘したシーンより。たとえ舞台であっても刑事の規則をきっちり守ろうとする真面目すぎる性格がよくわかります。

物怖じしないどっしりした性格
これもFILE1088で、株本が退散しても態度を変えることなく淡々とアドバイスをするという言動は、回りの環境にとらわれたいどっしりした性格を表しています。公安の裏理事官にふさわしい資質の持ち主と言えますね。

名刑事
FILE.1089で現場保存よりも人命救助をした黒田。これは
50巻「本庁~7」の佐藤「人を捕まえるよりも助ける事の方が遥かに大切な事…」や54~55巻「服部平次との3日間」の越水のセリフ「死を確信するまで、生を信じ抜く事が名探偵の名探偵たる所以だもの…」といったセリフに通じるものがあります。



次回おそらく黒田が京都に来た理由が明かされると思うので楽しみです。
今回の考察は以上です。読んで頂きありがとうございました。Twitterもやってます