…サン・ジュノールなんてカフェは実際にはないだろう。いや、ここにあるが。最近はまたサルトルの活字を追うようになった。個人的には『出口なし』って劇作が読みたいけど、なかなか見つからない。たまたま古本屋で見つけた『水入らず/汚れた手』を買ったので、読書が進んでいる。フランス人の名前は得意ではないが、そもそもユーラシアではこれだけ個々の国々がそれぞれの文化を維持していることに日本人として驚いている。

 しかし、そんな日本に住む私が、なぜかサルトルのような人間と似た方向性であったのは、和風には縁というものだろう。

 サン・ジュノールのカフェは私が物語の中で登場させたカフェだが、このブログではさして意味はない。サルトルがいたのはサンジェルマンだったし、そのあたりをうろうろとしている錯覚でこのブログを進めたかっただけだ。しかし今読んでいる『水入らず』の2は、リレットという主人公の友人がカフェのテラスでポルトを注文している上、ぐったりと疲れているようなので、どこかしら被りはあるのだろう。

 

 万年筆の悲劇は9年ほど前に私が詩を書いていたときの代物を引き出してきたものだ。・・・いまでは失ってしまったものが多くて、こんな詩はそうは書かないだろうけど、なぜかたまに女性口調な詩が出来上がったもんだ。

 心が参っちゃってる時、自分と話しをつけようと思ったときがある。ノートに自分ともう一人の心の自分を引き合いに出して、自分を個人的に分析してみようと思ったわけさ。だけど、・・・男同士で向かい合うと面白くないんだろうな、だから、女性が登場したわけだ。はたから見ればかなり変わっているわけだが、意外と女性と話すのは楽しかったよ。自分が何をするでもなく、相手が何をするでもなく始まり、仕舞いには心のわだかまりが解れて、辛かった自分の原因を吐き出すことに成功した。

 ・・・長くなるから、これくらいにしておこう。

 私に会いたくない?

 嘘言わないで、分かるの。


 あなたには顔が無いせいね。


 ページの中で待っている私は待ちぼうけが多いの


 愛していると、絶対口にしないのね


 それでも私を扱っているつもりなのかしら、困るわ。


 たまには、その手にあるペンで私を彩って欲しいと

 思っている


 お願いだから、その手を震わさないで。


 気持ちがこもっている事は、

 あなたがいつもページを開いてくれることでわかるのよ

 あなたの握った万年筆が震えていることも、ちゃんと

 覗く事ができるのよ


 あなたの大切な万年筆から、あなたの

 生み出す言葉に

 宿りたいわ


 宿ることはできないのよ、この気持ちを抑えて

 あなたの待っている


 好きな人を待っているのよ、貴方。

 だからこれだけは言っておくの


 好きな事を

 語り部として私に聞かせてその万年筆で


 そのペン先からひねり出された一句に過ぎないなんて

 悲しいけど


 悲しいけど我慢するしかないのよね。


 嫌ね、皮肉って

 そのペンが憎いなんて・・・