た………かすぎ………
待ってろよ…
今…あたしが…殺してやるから…
沖田:おーい、篠原ー
そんなふざけた声に起こされて、あたしは飛び起きた。
時計を見ると、沖田を起こしに行くはずの時間をとうに過ぎている。
あーあ、やっちゃった…
夏希:すみません沖田隊長。
沖田:ったく…何で起こしてくれるはずの女を起こしにこなきゃいけないんでィ。
大きなあくびをすると、出ていこうとする。
夏希:でも珍しいですね、起こしに来てくれるなんて。
沖田:あ。言い忘れてたけど、起こしに来たのは土方さんに言われたからだぜィ。
そうじゃなきゃ誰が来るか。
夏希:殴ったろか。
沖田:早く男装しろィ。
もう集まってんぞ。
夏希:え!!?
(しまった、起こしに行く時間以前に朝礼始まる時間まで過ぎてた!!)
土方:おせぇぞ!篠原!
夏希:すみません…!
その様子を見てニヤニヤしてる沖田と、切腹しろと言ってイラついている土方さんを見ていると、また今日も変わらない1日が始まるのだと実感した。
肩に届く黒髪を上で束ね、みんなと変わらない隊服を着れば、もう男と変わらない。
ただ、胸のふくらみはどうにもならないので、仕方なくサラシを巻いているが…
近藤:じゃあ、始めるか!
近藤さんが座り直し、朝礼が始まった。
近藤:実は今日、こんな事をしている暇はないほど幕府は緊迫している。
どうやら、江戸内に数人の攘夷派…いや、高杉一派か紛れ込んだという情報が入った。
びくりと体が反応した。
まっていた。この時を。
震え出す体は武者震いなのかは分からない。
近藤:そこでだ。今日はいつもより大人数で見回りを…
夏希:一番隊にやらせてください!
隊士達:ハァ!?
確かに見回りはつまらないと言って隊士達には不評だ。
でも、高杉を捕まるために協力してもらわなきゃ。
篠原夏希② に続く→