今年の7月は改変目白押しの東北急行バスにあって、意表を突かれたのが7月20日から運行される東京~日光・鬼怒川線です。

http://www.tohoku-express.co.jp/course/nikko.php

 

300km以上の長距離路線が多い中で初の短距離路線、東京側の停留所が自社停留所の八重洲通りからではなくJR東京駅八重洲口グランルーフからの出発/日本橋口へ到着と異色ずくめの展開です。

栃木県内は下今市駅、東武日光駅、ワールドスクウェア、鬼怒川温泉駅への停車を予定していますが、下今市駅に立ち寄るのは8月から鬼怒川線で蒸気機関車列車:SL大樹の運行が始まるため、SL大樹への接続を見越しての設定と思われます。

 

東武鉄道:SL復活運転プロジェクト

http://www.tobu.co.jp/sl/

 

SL大樹は一日3往復運行されますが、下り便の下今市着が10:20、鬼怒川温泉着が11:15で1号~2号には間に合わず、上り便が出たあとに5号~6号が運行されるため、日光鬼怒川線でSL大樹に乗りに行くのであれば3号~4号が対象になります。

 

東武日光~ワールドスクウェア~鬼怒川温泉間は大谷(だいや)川沿いの県道247号線~大谷向(だいやむこう)から国道121号線:会津西街道を行くと予想していますが、2009年に開業して短命に終わった関東鉄道の水戸~日光・鬼怒川線がこの経路をたどっていました。

後述する東武バス日光の新路線が小百(こびゃく)を経由して日光東照宮・東武日光駅と鬼怒川温泉を結ぶ計画があり、こちらの経路を通る可能性もあります。

 

拙稿:北関東ライナー宇都宮~水戸線弾丸インプレッション(その1:水戸~日光・鬼怒川線)
http://comyu.sblo.jp/article/32257795.html
同・あまりにも早すぎた水戸~日光・鬼怒川線の最期
http://comyu.sblo.jp/article/37137440.html

 

東京~日光間の高速バスは本来なら東武バスセントラル&東武バス日光ないし地元の日光交通が手がけて然るべき路線ですが、1995年~1998年に東京の関東バスと組んで短命に終わった新宿~日光・鬼怒川線のトラウマを引きずっているのでしょうか。

営業キロ182km、所要3時間半と短い割には贅沢にも3列シート車での運行を予定しています。

運賃は片道2500円、往復4000円で、東京~仙台線ニュースター号の平日日中便で3列シート車に最安3100円で乗れることを考えると割高に思えますが、新宿からの那須・塩原号が塩原温泉バスターミナルまで3100円、那須温泉3400円、宇都宮まで乗り入れていた当時のマロニエ新宿号が2000円(後年1700円へ値下げ)で、日光鬼怒川線が東京側で他社バス停を借りて3列シート車で運行という条件を考えたら割安といえるかもしれません。

 

残念なのは朝の日光発と午後の東京発の設定がなく、宿泊利用や日光側からの上京にやや難ありといったところでしょうか。

小田急の箱根フリーパスに追加料金で小田急箱根高速バスを利用できるように、東北急行の夜行便が停車する浅草にも停めてスペーシア&リバティを補完する形で「まるごと日光・鬼怒川東武フリーパス」に追加料金で乗れるようにするのも一考ですが、浅草で三社祭・隅田川花火大会・東京マラソンなど祭礼の交通規制に巻きこまれることを考えると気が進まないかな…

 

東武鉄道:まるごと日光・鬼怒川東武フリーパス

(浅草発:夏期6150円、冬期5630円、4日間有効。明神以南の他駅発や周遊範囲が日光地区限定/鬼怒川地区限定バージョンもあり)
http://tabi.tobu.co.jp/ticket/honsen/a01_d.html

小田急電鉄・箱根ナビ:箱根フリーパス

(新宿発:2日用5140円、3日用5640円。新宿発に限り小田急箱根高速バスの新宿~御殿場1580円を870円で優待、御殿場~乙女峠~箱根エリアはフリーパス周遊区間)
http://www.hakonenavi.jp/ticket/before/hakonefree01/ab_hakonefree01/

 

その東武バスと関東バスが運行していた新宿~日光線は、開業当初一日2往復で東照宮まで2600円、新宿~鬼怒川線は一日4往復で2800円でしたが、日光線は1996年11月限りで打ち切られ、鬼怒川線はその後3往復~1往復と縮小ののち1998年3月に廃止されています。

 

この東京~日光・鬼怒川線試乗にあたっては単純往復や片道鉄道利用もよさそうですが、マロニエ号成田空港線と組み合わせたこんな行程はいかがでしょうか。

  • 東京駅7:50~東武日光10:45(~鬼怒川温泉11:15)/JR日光14:42~成田空港第3ターミナル18:25
  • 成田空港第3ターミナル8:50~JR日光12:38/(鬼怒川温泉15:30)~東武日光16:00~東京駅19:00

JR日光駅と東武日光駅は徒歩圏のため、乗り換えにあたってはそんなに苦にならないと思います。

参考までにJR今市駅と下今市駅は1kmほど離れています。

 

(2017/7/29追記)

鹿沼経由が復活した那須・塩原号を絡めた行程も考えましたが、鹿沼停車は東野便のみで、東武日光線最寄りの楡木駅または特急停車駅の新鹿沼までタクシーを併用する必要がある、結構厳しいパターンです。

  • 東京駅7:50~下今市10:30/10:43~(東武日光線)~新鹿沼11:06・楡木11:17~(タクシー)~鹿沼IC入口12:16~バスタ新宿14:29
  • バスタ新宿12:30~鹿沼IC入口14:35~(タクシー)~楡木15:00・新鹿沼15:07~(東武日光線)~下今市15:29/16:15~東京駅19:00

往路は比較的余裕がありますが、復路はタクシーの迎車を考えると楡木とほぼ同じ距離の新鹿沼にした方が楽かもしれません。

新鹿沼であればスペーシア&リバティを使えば余裕が生じるパターンもあります。


一方迎える側の日光では東武バス日光が新車の一台を日光軌道線仕様で導入、鬼怒川温泉から東照宮への新路線に投入するようです。
 

東武バス:日光軌道タイプ特別車両の導入およびSL「大樹」運転開始に合わせた新路線を開設します
http://www.tobu-bus.com/uploads/files/info_nikko-sl_20170710.pdf

下野新聞:日光・鬼怒川間に新路線 SL運行機にレトロ車両 東武バス日光

http://www.shimotsuke.co.jp/town/region/north/nikko/news/20170711/2748503

 

機会を見つけてこちらも乗ってみたいですが、SL大樹運転日にあわせて3往復しか走らないのが難点…

 

今夏の日光は鉄道・バス共に東武ファンにとっては要注目になりそうです。