冒頭部

この作品の出だしは、東日本大震災で被災された人たち、街などへの悲しみの思いから始まる。
ラドファミレドシラと、単純なダウンスケールは、オーケストラベル(Tubular Chimes)の鐘の音と共に、亡くなられた方々への追悼の思いが込められている。
エオリア旋法(ラから始まるナチュラルマイナー)という、グレゴリア時代や中世の教会旋法を用いている。
ヴァイオリンソロも、同じようにラの音から下降スケールで始まるのだが、これは亡くなられた人々への祈りの気持ちを表すだけでなく、自然界の力の前では、何も出来ないという現実に立ちすくみ、ただ祈り、嘆き悲しむ人間の姿を映し出す。