○○舞城王太郎著 ○ 好き好き大好き超愛してる。 ○○
 
 さまざまなカップルの愛についてが語られる表題作他、脳みそに突き刺されたプラスドライバーから自分が二人になってしまうドリルホール・イン・マイ・マインドを収録。
 

・好き好き大好き超愛してる 

 語り  度  5 延々と語る。だれがって、そりゃあ…。
 愛   度  3 やや偏り気味で語り気味。
 よりどり度  4 ややSF的というか突飛な設定多し。ラノベ的。

 短編のよせあつめといった趣が強い。いずれも愛がテーマ。それに死が花を添えているのは流石の舞城テイストです。しかしながら、愛と死という両極の激しさはベタすぎでもある。恋愛小説だから仕方ない?


(感想)
 評判いいので気になっていた一冊でした。と言うより、この本が店員のオススメなんかで取り上げられまくってたからつられて舞城作品を読み始めた、ってなくらい。
 感動するー、とか、泣けるー、とか。割とそういう感想を聞いていたので、泣く気で読み始める。
 そして期待過剰だったことを反省した。

 設定の珍妙さは買う。それぞれおもしろい。だけど一番多くページが割かれているのは平凡な病モノで、セカチュー激情版て感じ。
 おもしろいけど、これを書いたのが舞城だと思うとがっかり。
 
 でもこれも平凡さの中に奇怪な挿話をすることで演出してあるだけなのかもしれない。それこそ夢みたいに。
 …と思ってみるものの、語りばっかりの印象だけが残りました。
 イヴのあれとかフック船長とか、ツボはあったんですけど…。

語りばっかりで動きがない。


・ドリルホール・イン・マイ・マインド

エロさ  5 官能の嵐すぎてビビった。
あっ! 度 4.5 個人的解釈ですが、これ村上春樹だ!
愛  度 2 作中でも語られるように、体に心は引きずられる。

 いつものノリで猟奇ちっくにスタートしたと思ったらエロ真っ盛り
 
 この作品を一言で表すなら、舞城版「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」
 読み終わったときに「アッ!」とひらめいたんですが、そう考えるとスパッと判る、ような気がする…。世界~をご存じない方は、ぜひ一読をお勧めします。

(感想)
 村上春樹だと解釈してしまった今、なんかもう、そうとしか思えない。
 あいかわらずこっちも語りが多くて、「そんなことうじうじして考えてるより、いつものハジけっぷりが見たいよ」と思いながら読む。

 この人の作品って、語りのバランスが絶妙なのとそうでないのとの差が激しすぎる。挿入が自然か不自然か、ってことなのかもしれない。
 うまく流れに乗ってる語りもあれば、分離しちゃっててグダグタなのもある。
 わたしはこう思うのですが、どうでしょう。

 前者の例は「九十九十九」「煙か土か食い物」「みんな元気。」「世界は密室で出来ている」「スクールアタックシンドローム」。
 後者は「阿修羅ガール」「バット男」「ピコーン」、そしてこの「好き好き大好き超愛してる」。
 って、単にわたしの好き嫌いになってしまったけど…。