○○舞城王太郎著 ○ 熊の場所 ○○
ランドセルから出てきたのは、ふさふさ毛並みにぎちょんぎちょんの切断跡もなまなましい、猫の尻尾。まー君は猫殺し。僕は恐怖を乗り越えるために、まー君に立ち向かう!?他二編、バット男、ピコーン収録。
・エロさ 4 少年の純粋な好奇心がエロちっく。
・居た堪れない度 4 他二編ともどもやるせなさすぎる。
・文芸度 2 舞城作品で言ったら非ミステリの文芸作品だが…。
普通の読み物として考えたら面白い…のかもしれない。が、舞城の狂気スレスレの描写とかぶっ飛んだ展開とかがない、ある種淡々とした展開はつまらなかった。
(感想)
・熊の場所
収録作品中、もっとも「らしい」作品。
猫殺しというキャラ付けも、それを受けて興奮しまくる主人公の危うさも、いかにも舞城風味。
これが彼でなく、どこぞの大御所が書いたなら、ストーリーはまったく違っていただろう。少なくとも、主人公はまー君にゾッコンになったりはしまい。非難してそうだ。そうしないところ、悪にも惚れ惚れしてしまうところが、舞城の人間描写の上手さだと思う。
猫殺しにあこがれる…というかそういうことをするまー君に興奮する、というのは、今までの流れでは(当たり前だがリアルにおいてはいまだに)はばかられることだ。
そのタブーといわれないながらもタブー視されちゃってるところを難なく乗り越える向こう見ずさが舞城作品のいいところ。
それが新鮮だし、突き抜けてて「面白い」。
そういう意味では、蹴りたい背中と似ていると思う。
「蹴りたい背中」はゾクゾクするような、でも多かれ少なかれ誰しも覚えがある乙女的S心を描いていた…ように思う。女の子がこういうのを書いた、と言う意味ではあれも舞城のようなぶっ飛び感があった。
閑話休題、
兎角そういう意味でらしさがあったが、「熊の場所」に出てくる父親と主人公との描写が薄いせいか、キーワードがいまいまち浮いた感じがした。
そんなこんなでオチもなし崩し。
少年同士のちょっとあぶない心のふれあい、というのには大いに萌えるものがありましたが。
・バット男
当事者が語り手でないと面白くないのがこの作者の本質なのかもしれない、と思った。
文学的作品といえば聞こえはいいが、僕に感情移入するのが難しい作品だった。傍観者と言う視点を貫かせる意味で、それが狙いなだったのかもしれないが…。
バット男からの話の飛び方がよみづらい。女のほうを書くのかと思いきや、男のほうかよ、みたいな。
淡々と読めや、て感じです…。
・ピコーン
女の子視点は阿修羅…で懲りたので、嫌な感じがしていたのですが、それはそれ。
フェラ話は笑わせてもらいました。
凄くまとまっている作品です。
良くも悪くも舞城テイストが感じられて、理不尽にぐちゃっと押し寄せる暴力だとか、色々つまらんこと考えながら頑張っちゃう主人公とか、それなりにおもしろい。
それなりに。
…それでもなにか物足りない感じがする。
あっさりしすぎているのかもしれない。
舞城氏は、青春小説家だけどラノベ向きではないと思う。
キャラの、話の展開を含まない(進行上どうでもいい、まとめとしての)自分語りになると、紋切り型の言い方(言い分?)で単調すぎておもしろくない。
あの独特さがトーンダウンしていることが多く、もったいない。
合間にはさまれるストーリー上の語りだと(例・奈津川四郎)すこぶるイケてるのに。
ランドセルから出てきたのは、ふさふさ毛並みにぎちょんぎちょんの切断跡もなまなましい、猫の尻尾。まー君は猫殺し。僕は恐怖を乗り越えるために、まー君に立ち向かう!?他二編、バット男、ピコーン収録。
・エロさ 4 少年の純粋な好奇心がエロちっく。
・居た堪れない度 4 他二編ともどもやるせなさすぎる。
・文芸度 2 舞城作品で言ったら非ミステリの文芸作品だが…。
普通の読み物として考えたら面白い…のかもしれない。が、舞城の狂気スレスレの描写とかぶっ飛んだ展開とかがない、ある種淡々とした展開はつまらなかった。
(感想)
・熊の場所
収録作品中、もっとも「らしい」作品。
猫殺しというキャラ付けも、それを受けて興奮しまくる主人公の危うさも、いかにも舞城風味。
これが彼でなく、どこぞの大御所が書いたなら、ストーリーはまったく違っていただろう。少なくとも、主人公はまー君にゾッコンになったりはしまい。非難してそうだ。そうしないところ、悪にも惚れ惚れしてしまうところが、舞城の人間描写の上手さだと思う。
猫殺しにあこがれる…というかそういうことをするまー君に興奮する、というのは、今までの流れでは(当たり前だがリアルにおいてはいまだに)はばかられることだ。
そのタブーといわれないながらもタブー視されちゃってるところを難なく乗り越える向こう見ずさが舞城作品のいいところ。
それが新鮮だし、突き抜けてて「面白い」。
そういう意味では、蹴りたい背中と似ていると思う。
「蹴りたい背中」はゾクゾクするような、でも多かれ少なかれ誰しも覚えがある乙女的S心を描いていた…ように思う。女の子がこういうのを書いた、と言う意味ではあれも舞城のようなぶっ飛び感があった。
閑話休題、
兎角そういう意味でらしさがあったが、「熊の場所」に出てくる父親と主人公との描写が薄いせいか、キーワードがいまいまち浮いた感じがした。
そんなこんなでオチもなし崩し。
少年同士のちょっとあぶない心のふれあい、というのには大いに萌えるものがありましたが。
・バット男
当事者が語り手でないと面白くないのがこの作者の本質なのかもしれない、と思った。
文学的作品といえば聞こえはいいが、僕に感情移入するのが難しい作品だった。傍観者と言う視点を貫かせる意味で、それが狙いなだったのかもしれないが…。
バット男からの話の飛び方がよみづらい。女のほうを書くのかと思いきや、男のほうかよ、みたいな。
淡々と読めや、て感じです…。
・ピコーン
女の子視点は阿修羅…で懲りたので、嫌な感じがしていたのですが、それはそれ。
フェラ話は笑わせてもらいました。
凄くまとまっている作品です。
良くも悪くも舞城テイストが感じられて、理不尽にぐちゃっと押し寄せる暴力だとか、色々つまらんこと考えながら頑張っちゃう主人公とか、それなりにおもしろい。
それなりに。
…それでもなにか物足りない感じがする。
あっさりしすぎているのかもしれない。
舞城氏は、青春小説家だけどラノベ向きではないと思う。
キャラの、話の展開を含まない(進行上どうでもいい、まとめとしての)自分語りになると、紋切り型の言い方(言い分?)で単調すぎておもしろくない。
あの独特さがトーンダウンしていることが多く、もったいない。
合間にはさまれるストーリー上の語りだと(例・奈津川四郎)すこぶるイケてるのに。