○○舞城王太郎著 ○ みんな元気 ○○
姉が寝ながら空中に浮いていた。妹は空飛ぶ家に住む家族にすり替え「拉致」されてしまう。これもみんな透明魔人のせいなの?選ばれなかったあたしはどうすればいいの? 表題作他、四編。
・時間軸混乱度 5 交じり合いながら途切れなく続く。
・すっきり 度 5 型破りだ。
・希望 度 5 読み終えて初めて分かる、この明るさ。
愛と希望と再生の小説集。舞城王太郎グロは、新しい「希望」のための破壊描写である。
(感想)
女の子一人称は阿修羅…で懲りたので、そんなに期待しないで読書を始めました。
ところがどっこいどっこい。
舞城が女の子を書くとセックス、というか身体の構造の話になる。びろーんとあそこから広げられちゃう伊藤貴子の話だったりなんだり。
本作は、読んでるうちにこっちもあそこからびろーんと広げられたような気持ちになります。びろーん。
文章の特長そのまんま、時間の隔たりを無視してストーリーがぎゅうぎゅうづめになっています。途切れることまるでなし。
※以下ちょっとネタバレ。
選択することの残酷性を、そのまんまグロ描写しちゃう辺りは参りました。まさに舞城王太郎です。
王子様こと唯士は作風を踏襲してて、いつになくいじらしくてまっすぐすぎて、大人じゃないけど紳士で素敵。
父親の哀愁をひっくるめて「家族」が描かれていることが熊の場所とは違って
(あっちは「話を聞いた」っていうだけで、息子に語る父親という親の側面しか出てこない。それに対して本作の主人公は父親の辛さや弱さを知りつつ責めてしまう。父は一方的なゆるぎない存在ではない)
広がりを持っている。
現在と過去の交叉するシーンはありがちだけども、主人公が突っかかってって刺すわ罵るわってのは新鮮です。
従来のヒロインのようになよなよした終わりでもない。自分を見失うことなく、それどころか信念を持って現実(地上)にダイブしちゃうんだから。
読んで元気をもらいました。
自分の夫は選べるけど子供は選べない。全てが私の子供なのだし、その全員を愛しているのだ…というような一文が出てきます。
これ以前に、自分を嫌っても仕方ない…というのが出てくるのですが、まさにまさに。
恋に臆病になるあまり、選択することに慣れた(感じない振りをしていればいろんなことが平気になる、的なことだと思った)から夫は選べる。
それでも、家族がいやでもセックスがいやでも何でも、自分だけは嫌いになれない。
嫌っちゃいけない。
だから自分の子供は愛しい。
自己愛の転換というか、自分が優位に立つ「選択」行為を否定しない。自分が関わるときにだけ判断が鈍る、ってのはこれ本当真理ですよね。
だからこそ杉山家での選択で「自分」を消さなかったのだろうし。
他人は消しても自分は消せない身勝手さ。
でもそれが生きること、選ぶこと。
それも全部元気だからやれる。ううむ、確かに。みんな元気ですよ。
・Dead for good
辛くて痛いことだらけなのに、生きよう、って思わせる希望がある。たまらん。
・我が家のトトロ
小説のフリをした、トトロの評論と応用。
・矢を止める五羽の梔子鳥
これぞすっちゃかめつちゃか小説。してやられた。
・スクール・アタック・シンドローム
作品中一番の名作だと思います。
こういう作品、PTAのオバサンは最初だけ読んでやめて、「けしからん」て言いそう。
だけど素晴らしくいい。
暴力性が回収されて希望となって終わる。ところがこの作家のいいところだ。
あやふやな余韻ってことにして丸投げしちゃわないところがね。
どうあれ最後は救われるから大好きです、舞城王太郎。
姉が寝ながら空中に浮いていた。妹は空飛ぶ家に住む家族にすり替え「拉致」されてしまう。これもみんな透明魔人のせいなの?選ばれなかったあたしはどうすればいいの? 表題作他、四編。
・時間軸混乱度 5 交じり合いながら途切れなく続く。
・すっきり 度 5 型破りだ。
・希望 度 5 読み終えて初めて分かる、この明るさ。
愛と希望と再生の小説集。舞城王太郎グロは、新しい「希望」のための破壊描写である。
(感想)
女の子一人称は阿修羅…で懲りたので、そんなに期待しないで読書を始めました。
ところがどっこいどっこい。
舞城が女の子を書くとセックス、というか身体の構造の話になる。びろーんとあそこから広げられちゃう伊藤貴子の話だったりなんだり。
本作は、読んでるうちにこっちもあそこからびろーんと広げられたような気持ちになります。びろーん。
文章の特長そのまんま、時間の隔たりを無視してストーリーがぎゅうぎゅうづめになっています。途切れることまるでなし。
※以下ちょっとネタバレ。
選択することの残酷性を、そのまんまグロ描写しちゃう辺りは参りました。まさに舞城王太郎です。
王子様こと唯士は作風を踏襲してて、いつになくいじらしくてまっすぐすぎて、大人じゃないけど紳士で素敵。
父親の哀愁をひっくるめて「家族」が描かれていることが熊の場所とは違って
(あっちは「話を聞いた」っていうだけで、息子に語る父親という親の側面しか出てこない。それに対して本作の主人公は父親の辛さや弱さを知りつつ責めてしまう。父は一方的なゆるぎない存在ではない)
広がりを持っている。
現在と過去の交叉するシーンはありがちだけども、主人公が突っかかってって刺すわ罵るわってのは新鮮です。
従来のヒロインのようになよなよした終わりでもない。自分を見失うことなく、それどころか信念を持って現実(地上)にダイブしちゃうんだから。
読んで元気をもらいました。
自分の夫は選べるけど子供は選べない。全てが私の子供なのだし、その全員を愛しているのだ…というような一文が出てきます。
これ以前に、自分を嫌っても仕方ない…というのが出てくるのですが、まさにまさに。
恋に臆病になるあまり、選択することに慣れた(感じない振りをしていればいろんなことが平気になる、的なことだと思った)から夫は選べる。
それでも、家族がいやでもセックスがいやでも何でも、自分だけは嫌いになれない。
嫌っちゃいけない。
だから自分の子供は愛しい。
自己愛の転換というか、自分が優位に立つ「選択」行為を否定しない。自分が関わるときにだけ判断が鈍る、ってのはこれ本当真理ですよね。
だからこそ杉山家での選択で「自分」を消さなかったのだろうし。
他人は消しても自分は消せない身勝手さ。
でもそれが生きること、選ぶこと。
それも全部元気だからやれる。ううむ、確かに。みんな元気ですよ。
・Dead for good
辛くて痛いことだらけなのに、生きよう、って思わせる希望がある。たまらん。
・我が家のトトロ
小説のフリをした、トトロの評論と応用。
・矢を止める五羽の梔子鳥
これぞすっちゃかめつちゃか小説。してやられた。
・スクール・アタック・シンドローム
作品中一番の名作だと思います。
こういう作品、PTAのオバサンは最初だけ読んでやめて、「けしからん」て言いそう。
だけど素晴らしくいい。
暴力性が回収されて希望となって終わる。ところがこの作家のいいところだ。
あやふやな余韻ってことにして丸投げしちゃわないところがね。
どうあれ最後は救われるから大好きです、舞城王太郎。