○○舞城王太郎著 ○ 土か煙か食い物 ○○

 西暁の町で起こる、連続主婦殴打事件。袋をかぶせられたまま庭に埋められる母親たち。解決に乗り出した四郎の前に立ちはだかるのは、愛と暴力の「家族」だった。
 

・ミステリ度   2 そういえばミステリー。
・DV度   5 耳をふさいで夫婦喧嘩をやり過ごした日々を思い出す。
・絆度    5 暴力的なのに安堵させられるこの複雑さよ。

 まだ捨てたもんじゃないよ、と思わせられる、暴力と愛に満ちた一冊。
 泣けた。
 親と兄弟が好きになれない人にオススメです。自分の中の愛を発掘できる…かもしれない。

(感想)
 阿修羅ガールで「はあ?」だったもんで、こんなんデビュー作だし九十九…に比べたら…、と正直なめてました。

涙で文字が見えない。

 暴力ありきの家庭に育った個人的ないきさつから、もうどうにもこうにも感情移入しまくりで、泣くわわめくわ吐きそうになるわ…。
 四郎の兄弟に対する台詞がたまらない。
 それでも愛してる、この矛盾。

 悲壮な話なのに、それを四郎がさらっと流してるから読める。でなきゃITと湯ばれた子…シリーズのようなじめじめとしたブンガク作品になりかねなかった。
 王城の軽さ=なんかイッちゃってる感じがたまらなく素敵。それが作品全体をポップ(もう本当にポップ)に纏め上げている。

 親兄弟が暴力的で、激しいやりとりを布団に隠れたり耳をふさぎながら見守るしかなかった…って人は、多分多いはず。
 そういう方にぜひ読んでもらいたい。
 目からウロコです、本当。

 もっと早く読んでればよかった、ってのが今回の一番の感想でした。
 もう少し早ければ、…色々と、親との関係についても悩まなかったかなぁと思う。
 逃げられないなら、やっぱり愛するしかないもんね。
 自分の中にある愛を嫌悪して、自分まで否定するって言う悪循環は、そろそろ卒業しようと思いました。