○○上遠野浩平著 ○ 殺竜事件 ○○

 絶大な魔力を持つ竜が殺された。密室状態にあったはずの結界の中で、誰が竜を殺したか。西へ東へ、命をかけた長い旅が始まる。

・ミステリ度 2 深く考えるな。神の視点でキャラを愛するのみ。
・ラノベ度 5 でも他の作品より読みにくい。
・ジーン度 4 ところどころに突き刺してくる。ぶっすり。

 ミステリを求める読者はバイバイ。
 「受け入れる心」を装備して、わくわくしながら読むのがいい。 
 

(感想)
 舞台は、現代やら中世やらをはるかにすっとばした、異 世 界。
 魔法が平然と存在している世界です。
 ミステリとありますが、この時点で ミ ス テ リ で あ る こ と は 忘 れ て しまったほうが 楽 し め ま す。

 ミステリはミステリ。でも、キャラクターの性格を掘り下げることを楽しむ小説だったりして、事件は二の次。
 富士見ファンタジー文庫とか電撃文庫とかを猛烈な勢いで買いあさったことのある、剣と魔法の世界が大好きな人には楽しめます。
 いやー、入りたいね。この本の中に。んでもって旅したい。
 一人称でつづられているため、余計 な り き り や す い というか、なんというか。

 ただ、ブギーポップより格段に文章が読みづらい。
 私が久々に読んだからなのかもしれませんけど…。語り部が女の子だからかな。いやそれは関係ないか。

 複線がちらほらみえかくれしつつ、非常にテンポよく展開します。読み終わったときは旅の「長さ」を実感するのに、実際読んでるときはさくーっと進んじゃいます。ものたりなさが積み重なっても、なぜかちゃんと解消されている、この不思議。
 ううん、さすが。
 
 でもやっぱり読みにくかった…。


○○上遠野浩平著 ○ 紫骸城事件 ○○

 魔女の遺した紫骸城。そこに足を踏み入れた魔導士たちが次々と死んでいく。これは魔女の呪いなのか?不可解な大量殺戮の幕が今開かれる…。


・ミステリ度 4 人がたくさん死ぬ。素直に「なんで??」と思える。
・ラノベ度 4 前作より軽くはない。
・ジーン度 5 途中でグサッ。で、オチはホッ。ラストにゲゲゲ。

 でもやっぱり「普通の」ミステリではない。
 世界観と信念を味わうための一冊。実に重めなライトノベル。


(感想)
 個人的に、ミステリは「大量殺人かつ密室状態」、いわゆるクローズドサークルものが大好きなので、非常に期待して読み始めました。
 トリックは前作「殺竜…」よりも「あぁ!」って感じ。もっと真剣に読んでれば…と思いました。真剣に読んでたけどね。読んでたんだけど…。

 これはとにかく読みやすかった。
 やっぱり、前作が読みにくかったのは設定だの何だのが多かったからかもしれません。慣れが出てきて、スムーズに進めました。

 あんまり言うとネタバレになるんで控えますが、うーん、邪道とはいえこうも一つの世界として完成されてるトリックは凄い。
 馴染んでるんです。そりゃあ綾辻行人とか森博嗣とか島田荘司とくらべたらあれだけど、この本の中に描かれている世界との破綻がないんですよー。
 十分のめりこめるのめりこめる。

 前作にちら…と出てきたミラル・キラルもいいし、やっぱりEDは素敵だし。
 RPGでもやるか。
 ファンタジーって読むとストレス発散できるからスゲー。