オオクワガタ採集
採集に行ってない…採集に随分行っていない。前回から丸二年空いている。成人式?で集まった卒業生の中に二年前に一緒に高地(我々は採集地の山をこう呼ぶ)をまわった山梨大学に進んだ卒業生がいて「また、行きましょうよ♪」と言われたが、「行きたいのは山々だが、仕事でそうはいかないのが大人なのだよ。」と嘯いてみせるが、行きたい反面、色々な事情により少し億劫になっているのが本当のところだろう。
【こんな感じの出会いがあればなぁ…】
採集の連れ、N(山梨大学附属病院の医師です)が「今日3つ出ました。○○と△△です(高地の呼び名)。」と煽ってくるので複雑な心境です。理由は、
1.俄か採集人に身を窶した樋口にオオクワガタが採れる気がしない
2.マダニとクマ🐻が怖い
3.膝が痛くて木に登れない(そもそも高地を歩けるか)
4.一人で韮崎まで中央道を走るのはしんどい
オオクワガタ採集
採れる採集者には理由がある
二十数年前、東京に住んでいた頃は最低一週間に一回は韮崎に通っていたのが嘘のようだ。
実際、その位の頻度で高地をまわらないとそれぞれの高地、一本一本の木の様子が掴めない。オオクワガタが入らない木まで歩いて、脚立を立て、登っていては無駄が凄く多くなる。実績がある高地を1日2日では回れなくなる。
採集者の中にはほぼ毎日回っている人もいるのだ。
「あの木のあっちのウロの上にそろそろ入るかもよ…。」
「その木のいつもの穴はね、今年はダメ。」
「いつもの木の二本隣の木がさ、上っ側のウロが今年はいいんだよ。この前1♂抜いたよ。」
「もう暑くなってきたから道路っ側から奥に移動してるね。今、5mくらい奥。」
とか、「採れる」採集者は話す(しかし、大切にしている御神木の話は絶対出ない。出るのは共有している情報の範囲)。
木の状態も虫の移動も日々刻々と変化している。木と虫をしっかり観察していないと「採れない」。
【2年見ないうちに枯れてしまった、必ず採れた樹】
※その後無くなったという…
【木に登っている…】
オオクワガタ採集
生徒たちとの付き合いも一緒よ
生徒の指導も一緒である。
「○○君ご機嫌斜めじゃない?」
後で今泉先生が
「○○君、英語コミュが悪かったそうです…。」
と報告に来た。
「△△さん、イラついてない?」
やっぱりお母さんと部活のことで喧嘩したらしい。
しっかり観察していないとこかすことになる。
入試直前、やたら遅い時間に連日物理だけでなく数学(受験生はふつう数学は辰巳に質問に行く)の質問を聞きに来る生徒がいた。
「何か言いたげだったかも…」
後で気付いた…。
「英語の得点力が落ちていた」のだ。数学と物理がなかなか思うように得点が上がらず、只管物理、数学に時間を費やし、英語を演習・復習する時間が全く取れていなかったのだ。得点開示(東大は不合格の場合、(不)合格通知に得点開示がすでについてくる)でそれが判明した。英語の得点は平凡なものだった。夏から秋にかけての過去問演習や模擬試験では考えられない得点だった。その時の得点が本番でとれていれば、彼女は東大を卒業していたはずである。
「もう見逃すまい。」半泣きで誓った。
あの時のことを思い出しながらエントランスから入ってく生徒を「おー。」とか「はいよ。」と変ちくりんな挨拶をしつつ観察し続ける今日この頃です。
昨日も「『樋口さんがいつも何でこの木に居ないんだ?』といつも見ていた木で初めて1♂採りました」とLINEが来たのです。
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