「すいません、ちょっと待ってくださいよ。
するって言うと、おたくさんは、ツイッターとか、いうやつですか?
そいつをなさってるんですね。
いや、正確には殆どツイートしていない、と。
いやね、じつを言えば、私も登録はしたんですよ。
カミさんが、どうしてもやれって言うもんだから。
でもね、おたくさん同様に、ほとんどツイートっての、していないんですよ。
たしかに、あまりツイートしたくないのも、わかるんですよ。
あのロイターにこんな記事がありましたからね。
あれ、どこいっちゃんだかな。
メモ、メモ、と。
あっ、あった、あった、これ、この記事。
ようござんすか。
え~、
『短文投稿サイト「ツイッター」を頻繁に利用するミュージシャンは、
神秘性を維持するグループと比べてキャリアが短くなる可能性が高い。』
リンクってのもしてみたんで、全文読んでください」
とコロンボ警部が言う。
それを受けて、僕は答える。
「そうなんですよ。
マジシャンも神秘性は必要だと思うんで、
リアルタイムに何処にいるとか、何をしているとかは
つぶやかないほうが良いかなと、思ってるんです。
ですから、犯行現場いたとしても、ツイートをするはずがないんです」
「たしかに、リアルタイムには、ツイートはしないかもしれませんな。
でも、犯行現場にいたなんて、面白いことがあったら、
ブログに書かないなんてことは、レオンさん、あんたの性格から絶対ないはずだ。
下書き、拝見させてもらいますよ」
アッと思った瞬間、
意外にも素早く、警部は僕のブログの下書きを見て言う。
「ほら、飛行機内で、アナウンスがある前に、
シートベルトのバックルを外していたでしょ。
あんたら、アジア人はどこまでせっかちなんですか?
たしかに、機体は停止して、乗務員に知らせるポーンという音は鳴った。
だからと言って、アナウンス前にベルトを外して良いわけじゃないんですよ。
だいたい、アナウンスされるまで、30秒とかからないはずです。
何故なんです?」
「ふー、イタリア系の方には理解できないでしょうね。
ポーンというあの音がすると、ベルトのバックルを外して立ちあがる。
まあ、パブロフの犬みたいなものです。
そう言えば、ドッグは元気ですか?
そうですか、安心しました。
じゃ、まいりましょうか」
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