本日、たわいもないけれど、繊細な話です。



世界半周のクルーズ・マジックから敬友K氏が帰ってきた。


クルーズ・マジックとは、豪華客船の乗船客の為に、


エンターテイメント・サービスとして、一緒に船に乗ってマジックを提供する仕事。


海外では、この分野を得意としているプロが何人かいますが、


日本では、専門なのはお一人のはず。


K氏は専門ではないけれど、時々、クルーズの仕事をしています。


今回、地中海のほうを旅してきたとの事です。


そのK氏と、世の習わしにしたがって、居酒屋でクダをまいていた時、


氏がおでんが食べたいと、白滝とちくわぶをオーダーしました。


注文が来るまでの会話。


「白滝と糸こんにゃくの違いって知っとる?」と氏が言う。(氏は関西出身。)


「ん、同じもんでしょう。太さの違いじゃない。


白滝が細くて、糸こんにゃくが少し太いんじゃないかな。


そうめんと冷や麦の違いみたいに。


もっとも、そうめんは油使って伸ばして、冷や麦は切って作るけど、


基本は太さでの違いって言われてるよね」


「ちゃうん、白滝は専用の白滝芋っていうのから出来ていて、


糸こんにゃくは、こんにゃく芋から出来てんのよ」


「うっそだ~」と眉に唾をつけたことは言うまでもありません。


「ほんとなんだって。調べてみ」と氏はほくそ笑んでいた。


今、調べてみました。


まず、白滝芋なんぞなく、同じこんにゃく芋が原材料。


昔は、製法が違っていたらしいのですが、現在は明確な違いがないとの事。


おもに、関東では白滝、関西では糸こんにゃくと呼ぶんだそう。


ほくそ笑んでいたはずだ。


話は戻ります。


「ちくわぶって関西にはないんや。


東京で竹輪とちくわぶってのが、別のものとして、おでんにあって驚いたわ」


「あ、そうなんだ。ちくわぶって全国的なもんじゃないんだ。


でも、ちくわぶって竹輪の代用品じゃなかったのかな?


落語の時そばにそんな風にでてくるもの」


ちくわぶは、小麦粉を練ったもの。


竹輪は、魚のすり身が基本。


共に、竹や木の棒に巻きつけて、蒸す、茹でる、焼くなどしたものですよね。


ほどなくして、おでんがやってきた。


「あれ、これは竹輪や」


そう、ちくわぶじゃなくて竹輪がやってきた。


メニューにはちくわぶしか書かれていなくて、竹輪は載ってない。


「違うけど、まあ、ええか」


このへん、氏は、おおらかです。


「うん、別に良いんじゃない。でも、竹輪のほうが、ちくわぶより繊細だよね」


「繊細?」








「ぶがないだけにね」



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