ゲータン・ブルームさんというフランスの天才マジシャンがいます。
マジックのクリエーターとして、
ネオ・クラシックとして後代に残される作品をいくつも編み出しています。
その作品は奇抜でありながら計算されています。
僕も彼の作品に多大な影響を受けていますし、レパートリーにもなっています。
そして、彼が凄いのは創作だけではなく、卓越した演技者でもあることです。
(大抵は片方なんですよ。)
彼はナイトクラブを中心に出演しているのですが、
最近はフランスでもショーのあるナイトクラブは減ってきていると、
数年前に来日した時に、聞きました。
俳優としても活動しています。
最も有名な作品は日本でも公開された1980年のフランス映画
『ザ・カンニング IQ=0』(原題:Les Sous-Doues)です。
この映画は自由奔放に生きていて成績の悪い生徒が大学入試の為に、
様々なカンニングのテクニックを駆使するコメディーです。
そのテクニックは古典的なアナログであったり、
最新機器を使用したりと、まるで、いまの日本の事件を思わせます。
特に外部から答えを受け取るのに
太鼓のリズムを使うのには笑わせてもらいました。
日本のカンニング犯は逮捕されましたが、
とがめるより、
政府は秘密情報機関に勧誘したら良いのじゃないかと思うのは僕だけでしょうか?
最終的に特定されたとは言え、
監視の目のある公の場で行って、
その具体的方法は皆が分からなかったのですから、
アイディア、実行力、度胸とスパイに最適だと思うのですが…。
(カンニングを肯定、推奨するわけではありませんけどね。)
では、映画『ザ・カンニング IQ=0』の一部をYouTubeで御覧ください。
3つの動画がありますが、
1つ目のプロジェクターと3つ目の指を使っているのが、
ゲータン・ブルームさんです。
また、この映画で印象的だったのは、
誰とでも寝てしまう女性が登場するのですが、
彼女が妊娠したとわかると、全員で育てようとなるのです。
先進国でフランスは出生率が上位クラス(トップだったかも)。
それは社会が子供を育てるという感覚が根付いているからだそうで、
シングルマザーが働いて子育てできる環境が充実していたり、
小さな子共を連れてレストランで外食するのも、
当然のこととして行われているそうです。
社会が育てるという感覚、素晴らしいと思います。