昨日、3月17日をもって


東芝グループの照明メーカー大手「東芝ライテック」は


白熱電球の製造を中止。


120年の歴史に幕。


今後は電球型蛍光ランプ、LED電球に移行とのこと。


省エネで、寿命が長いので、この移行は当然のことでしょう。


もちろん推奨していくべきことです。


とは言え、2つの点で残していただきたかった。


1点目は『郷愁』にも通じるのですが、


白熱球のなんともいえない味わい。


子供の頃に夏休みの山林で見た裸電球に集う虫の影。


むろんLED電球だって虫は寄ってくるでしょう。


しかし、あの温かい光とふわっとした影は、白熱球独特のものでした。


LEDにも電球色(暖色)もありますが、やはり違います。


実際は違いますが、アナログとデジタルのような感覚です。


もう1つの理由は、


白熱球を使ったマジックが演じづらくなる事。


こちらは僕にとっては、なかなか切実です。


白熱球でないとできない優れたマジックもいくつかあるのです。


まあ、在庫が完全になくなってしまうことは急にはないでしょうし、


他メーカー、海外ではまだ作られていくでしょう。


単価が違うので、アジア諸国では当分は白熱球がまだ主流かもしれません。


(エコ面から言えば、本当は全世界的に省エネ電球に完全移行すべきですが…)


電球と言えば、


ウディ・アレンの戯曲に


『漂う電球』(「THE FLOATING LIGHT BULB」)という作品がございます。


数年前に、ケラリーノ・サンドロヴィッチさん演出の芝居が公演されました。


この物語にはマジック好きの少年が、重要なポジションに位置します。


ストーリー的には、じつにやるせないというか切ない奥深きドラマです。


なお、この公演のマジック演出は僕がつとめさせていただきました。


ちなみに、ウディ・アレンはマジック好きで、


自身も別の映画でマジシャン役も演じています。