今回の旅で一番感動したのが、ここ、鈴木大拙館。
鈴木大拙先生は、明治生まれの仏教哲学者で、禅についての著作を英語で何冊も出し、
日本の禅文化を海外に広く伝えられた方です。
ここは、そんな彼の考えを知り、理解を深め、自ら思索する場として作られた空間。
建築は、谷口吉夫先生。
どちらも金沢出身ということで、とても興味深く感じました。
この建物は、3つの棟と3つの庭から構成されており、回廊で繋がっています。
回廊に沿って歩いていくと、建築によって切り取られた美しい景色に次々と遭遇し、
その度に心の内側がどんどん静かに澄んでいくよう。
簡素な建築壁の水平ラインが、背景にある山々の緑の勢いをより引き立たせています。
初めて英語を使って、日本の禅「ZEN」という考え方を世界に広めた鈴木大拙先生。
観覧者の多くが、欧米人だったのも納得です。
現代的な建築ですが、どこか古いお寺の縁側を思い出します。
「水鏡の庭」と名付けられた空間。
何分間かに一度、この池の一カ所から泡がボコッと出て、水の波紋が広がっていきます。
水盤が一瞬で枯山水庭園のように。
静寂な空間の中に、広がっては消えていく儚い水の波紋。
時の流れがいつもよりゆっくりと感じられ、意識が自分の内側へと向けられていきます。
禅の思想を現代的空間で表現したこの建築に、本当に感動しました。
周りの自然と一体となってこそ完成される建築。
自然を征服するのではなく、自然と共に生きる感覚、
日本文化の素晴らしさを改めて実感しました。
この日本の歴史が静かに大切に保存されている金沢という街が生んだ、
二人の先生の作品に触れることが出来て、とても良い旅となりました。
2泊した金沢白鳥路ホテルをあとにして、金沢駅へ。
2011年に「世界で最も美しい駅」の一つに選定された駅です。
タクシーの運転手さんが、嬉しそうに解説してくれました。
正面の印象的な大きな門は、伝統芸能に使われる鼓をイメージした「鼓門」。
天井のガラスドームは、金沢を訪れる人に差し出す雨傘をイメージした「おもてなしドーム」
地元の人達が誇りをもてる駅がある、そんな街はやはり素敵ですね。
来年には、いよいよ北陸新幹線が開業します。
この素晴らしい文化を継承している日本の街を、
沢山の方々が気軽に観光できるようになることに、私も嬉しく思います。
さて、金沢の街を堪能したあとは、特急サンダーバードに乗って40分ほどで、方津山温泉へ。
霊峰白山があり、湖畔に宿が佇む歴史ある温泉街です。
最後の一泊に選んだのは、老舗旅館の森本。
久しぶりの畳の感触。落ち着きます。
お部屋からも大浴場温泉からのビューも、見渡す限りの湖と空。
広大な景色に、旅の疲れが癒されていきます。
旅の最後の夕食は、温泉宿ならではの懐石料理。
加賀の食材を使った美しい料理に心も華やぎました。
翌日、旅館から小松空港までタクシーで15分。
ストレスなしの移動で、スイスイ上海まで戻って参りました。
金沢旅行、日本文化を満喫出来た素晴らしい旅となりました。
すべてに感謝です。







