私は社会人生活をスタートさせた際には、メーカーの法人営業担当でした。FA関連機器を開発・販売している会社で、新入社員として入社してから半年程度で目標数字と顧客を担当し、他社の1年を3ヵ月で経験できるということが就職活動中に採用担当者から言われており、その通りの状況となりました。成長欲求が高かったので早く成長できるフィールドが欲しいということと、成長できているかどうかが数字で見えることが魅力であったということを覚えています。
商品・知識を会社が主催する社内研修で獲得しつつ、営業過程において先輩社員やお客様(直接販売のスタイルということもあり、お客様=エンドユーザ―と直接接触できるのがポイント)に1年目という立場を利用して教えてもらいました。また、営業の仕方については朝礼前にロールプレイングをすることになっており、顧客役を先輩社員が担い実践的な訓練を積みました。ロールプレイング実施後には先輩社員からフィードバックをもらい、良い点と改善点を認識しました。
商品・知識を獲得することも大切ですが、それ以上にお客様のことを理解することにも注力しました。
具体的には、業界内におけるポジショニング・業界特性・企業特性・製造している商品・製造工程及び工法・組織図・部署ごとのキーパーソン・個々人の特性等を把握するようにしました。お客様のことが理解できていないと、お客様が抱える問題とそれらが発生する背景も理解できません。問題を把握するためにはお客様とコミュニケーションする過程において傾聴することがポイントであることを体感しました。同期や先輩社員でも商品知識が豊富な高学歴な方ほどお客様に話す(情報提供する)時間が多くなり、不思議と売ることができていませんでした。
営業活動に注力する過程において、お客様と信頼関係を構築することが大切であることを学びました。お客様と初めてお会いさせていただく際にお客様に打ち解けていただけるかどうか、先輩社員からの引継ぎ時にお客様情報を共有いただいていたとしてもそれらを鵜呑みにせず、どのような話題でも対応できるよう大手新聞社が発行する新聞に掲載されている情報や広告欄に掲載されている芸能情報、スポーツ新聞に掲載されている情報等を毎日習慣的に読んでいました。そのかいがあり、どのようなお客様とでも打ち解けることができました。今風に言えば、雑談することがスムーズにできていたと思います。
私の新入社員時代の内容に触れさせていただいたのは、中堅・若手社員の営業力向上支援に携わる過程において、受講者の方にいずれも足りないと感じることに言及したかったからです。具体的には、以下5点です。
①意欲が低いこと:成長欲求や目標達成へのこだわりが低いと感じる。
②自社商品メリットが把握できていないこと:現地・現物・現場で自社商品がどのように活用されて
おり、どのようなメリットをお客様に提供できているかを把握できていない。
③傾聴できないこと:お客様が自社に求めていることを正しく把握できていないと感じる。
④お客様への好奇心が薄いこと:お客様のことを広く・深く把握できていない。
⑤雑談する知識が不足していること:紙でも電子版でも新聞を読む習慣がなく、世の中の流れを
把握できていないと感じる。
ビジネスモデル次第では上記①~⑤の内容が必ずしも必要ないかもしれませんが、お客様から信
頼されるためには必要な基礎的な内容と私は考えています。
是非、貴社内におられる中堅・若手の営業担当者の教育に活用していただければ幸いです。