安川加壽子生誕100年

 

 

3か月以上前の4月15日、記念すべき安川 加壽子生誕100年の演奏会を東京文化会館小ホールに聴きに行きました。余談ながら瀬戸内寂聴も存命でしたら今年生誕100年です。

 

安川加壽子といえば、その昔、晩年の演奏をNHKホールで聴いた時のその音色の美しさに驚いたことを良く覚えています。確かラヴェルのコンチェルトのGdurだったか左手だったか。残念ながら記憶が定かではありませんがチュー

 

今回の演奏会はとても面白い趣向で、安川のご長女と高弟のトークあり、子どもたちの演奏あり、そして錚々たる高弟の方々の力演ありといった多彩なものでした音譜

 

ご長女と今から60年以上前弟子だった方の安川のピアノの指導ぶりへの思い出語りは「よく覚えてないの」「特に何もおっしゃらなかった」「横でサラッとピアノを演奏されて、こうよ!とおっしゃるだけだった」と語られていましたが、さもありなん。

 

当時ピアノを購入し安川の門下生になることがどういった意味を持つのか。教育熱心な親たちと豊かな暮らしをしている人たちだけのものに違いなく、それは西原稔が著書『ピアノの誕生』で言うところの19世紀のヨーロッパにおける「ピアノは新しい家族像の象徴」であり「勝ち得た幸福の目に見える象徴」の遅れてきた日本の姿ともいえます。当然ながらその子女たちのピアノへの取り組みは今とはかなり違ったものでしょう。豊富な練習と貪欲なまでの吸収力に裏打ちされたレッスン風景が思い浮かびます。

 

安川加壽子の教育者としての日本のピアノ界に果たした役割は論を俟ちませんが、自身の発表会で生徒たちが演奏する作曲家がデラヴァンクール、ガロワ・モンブランなど日本ではほとんど知られていない作曲家の名前も並びます。フランスで育ち、音楽教育を受けた安川の面目躍如たるものがあります。

 

安川は若干12歳でショパンの《アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ》によってパリのコンセルヴァトワールの入学許可を得ました。そういえば昨年のショパンコンクールで活躍されたかてぃんさん(角野隼人さん)も何と小学4年生でショパンの《スケルツォ1番》を演奏している動画をアップされていました。なんという才能びっくりマーク

 

 

ヴィルトゥオーソは作られるものではなく生まれるもの