印紙税の意外な過去~その(2)~ | 税理士法人コムニスの日常

印紙税の意外な過去~その(2)~

みなさん、こんにちは。
本日はフットサルで走り回り、ストレス解消の心地よさと、思い通り体が動かない自己嫌悪とのジレンマに陥っているクラッキです。

さて続きですが、税務職員ブルックの考案した印紙税法は手軽な納付の方法が幸いして(いや禍でしょうか…。)、多くの国で採用されました。

1624年のオランダを皮切りに、1660年にデンマーク、1673年にフランス、ついには1694年にイギリスへと導入されて行きました。
英国政府は、その後1765年に当時植民地であったアメリカに印紙税を課しました。
そしてこれはアメリカという国が本格的な内国税として課された最初の税金でもあるのです。
(アメリカで「最も古い税」は1764年に英国政府が課した砂糖税でしたが、これはいわゆる「関税」で「内国税」ではありません。)

アメリカでは、この印紙税に対する反発がすさまじく、いわゆる「代表無くして課税なし。」のスローガンの下、議会に代表を送っていない植民地に不当に課税をするとは何事だぁっ!とばかりに英国製品不買運動に発展し、わずか2年程で印紙税自体は廃止されてしまうのです。

ところがこれにはなかなかサスペンスな続きがありました。
英国政府は急遽、1767年に印紙税の代わりに紅茶等への関税を強行決定。
同年に導入された「茶法」の影響で、ついに1773年には歴史の教科書にも出てくるあの有名な「ボストン茶会事件」が起こってしまうのです。

受験時「イーナ、ナミへい、茶会に参加=1773年、ボストン茶会事件」なんてブツブツ言いながら暗記ましたよね??まさか印紙税が事件の最初の引き金になっているとはっ!目からウロコが落ちます!

この事件により英国政府はボストン港を封鎖。さらに1775年には英国軍と植民地軍とがボストン郊外レキシントンで武力衝突に至るのです。
そうです。そうなんです。
これがあのアメリカ独立戦争なんです!

結局アメリカは1776年独立宣言をし、国家として独立したことはご存じのことだと思います。
アメリカの独立戦争は、もとをたどればなんと印紙税が最初の呼び水となっていたわけなんです。
ここまでサプライズが続くと、もはや印紙税の持つ過去は感動レベル。

さて、現在でも印紙税は添付・消印がなければ、納税者と課税庁との間に紛争を引き起こす十分な火種となります。
国家間の戦争を引き起こさないとは言え、税務調査でも容赦なく添付・消印もれがないか厳密にチェックはされるものです。
契約書、領収書には日頃から印紙を確認するように心がけましょう!

紛争のない平和な毎日が一番です!



明日からあなたも印紙をチェ~ック!
↓今日もあなたはこちらをクリ~ック!

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