仕事を与えられたという名目で通い出す。あえてみんなの前に出て体操をしてもらったり、話し相手になる役割をさせてもらう。
しばらくすると自分自身のリハビリと思いこむ。
「頑張って行かなきゃいけないねー。時々、どうしようかなーと思うんだけどね。」
そうのうち、行ったかどうか忘れるように。
最近では、「どう?楽しい?」との問いに何のことだかわからない様子。
以前の様に外で待つこともない。
家の中に迎えのスタッフさんが来ると、驚いた声を出しテンション高く
「嬉しー!!」と家を出て行くようになった。
手を振る私達の姿に目もくれず、車に乗り込む母。
この家には母の居場所がないんだろうと感じた。
ずっと姑が仕切っていた家。父が仕事に出てしまうと兄と二人の時間が一時間ほど。
うろうろと落ち着かず、デイサービスのスタッフさんが、母にとっては救いの神様のような存在。
きっと良くしていただいているのだろう。
もともと仕事で家に居なかった母。外に出るのが嬉しいのだろう。
「ねえ、ここからどうやって帰ればいい?」
家の中にいることもわからなくなってしまった母。
私達のことも、忘れてしまう日が来るのかな。
お願いだから、もう少し記憶の中で一緒にいさせて下さいね。
