母は最近トイレの場所がわからない。
「お手洗いはどちらだった?」自分の家にも関わらず、よそのお宅にお邪魔している風にトイレの場所を聞く。
あっちだよと教えても中に入らず素通りしたり、入っても用を足さずに出てくることも。
なので最近はトイレの中まで手を引いて教える必要があった。
母の後にトイレに入ると、少し汚していることもあった。
最近必ず見かけるのが、トイレットペーパーホルダーの上に汚れたトイレットペーパーがちょこんと置いてある。
流すことがわからなくなってきた様子。
トイレに置いてあるだけならまだしも、ポケットに入れて持って出てくる。
便がついたそのペーパーを大事にポケットにしまい、ダイニングテーブルにそっと置いていることもある。
うっかり触って投げ捨てた私。
あちこち除菌スプレーをして拭き回る。
母の手も洗いアルコールをする。
言ってもわからないのだから仕方ない。
でも、子どもも一緒にご飯を食べたりするテーブル。。
きついなあ…。ついにきたか、この問題。テンションが下がる。
実習で訪れた施設で便こねする認知症の方がいた。
触らないように、介護服をまとっていたあのお年寄りの姿が目に浮かんだ。
汚物の境界がわからなくなることは、家族にとってはきつい問題だ。
でも、来年の今頃はどうなっているだろう。
まだ、トイレに自分で行けるだけマシなのではないか。
1日、1日出来なくなる母の姿に、こんな状態でも今が幸せだと、同じ屋根の下で笑顔見せている日々が幸せだと、1年後の私が言っている気がする。