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若年性認知症と母

バリバリのキャリアウーマンだった母が、前頭側頭変性症という認知症になりました。病状はゆるりと、確実に進みます。日々感じたことなどを書き綴ります。

母の会話は、今、ここで起こっていることに限られるようになってきた。

デイサービスから戻った母に「おかえりなさい」と言うと、「今来たの?」と嬉しそうに笑う。
昨晩から泊まっていることなんかすっかり忘れている。
きっと帰った後も私達が来ていたことを忘れるのだろう。


少し前まで、「あなた達が帰ってしまうと、がラーンとして寂しい。早く来て欲しいなっていつも思っているの。」
と言っていた。私や、私の子供に会えるのが楽しみだと言っていた。
もう、今は、寂しいと思うこともないのかもしれない。


靴を脱ぐ場所もわからなくなり、その場しのぎで「こうでいいかしら?」と揃えてみようとする。
孫に会えば、「たくましくなったね。」と朝も昼も夜も久しぶりに会ったかのように同じ会話をする。


かろうじて、会話をしているようなもので、今どこにいるのかさえわからなくなってしまった母は、数分前のことなど覚えているわけがない。



この調子で、どんどん進行していくのは、正直怖いと感じる。


でも、寂しさや、先の不安を口にしなくなった母は、ある意味幸せなのかなと思う。



私は、泣いても仕方ないと思うけれど、離れていて母のことを思うと、涙が止まらない。



生きているのに、どんどん中身が失われていくのは、辛すぎる。