朝起きて身支度をし
納豆ご飯を食べる
食べたら歯を磨く
そしてしばらく部屋でくつろいで
その日の1日のスケジュールなんかを
10分くらい頭で想像する
そうしている間にも時間は過ぎて
会社に出発する時刻になる
僕はカバンを持ち階下に降りて
いつものように飲み物や
母が作ってくれた手作りの弁当なんかを
カバンに詰め込んで車に乗り込む
すると起きがけの父も
僕を見送るために外に出てきて
腰に手を当てて朝日に照らされたまま
じっと車が動き出すのを待つ
僕はエンジンをかける
キュルキュルというスタータ音で
エンジンが息を吹き返したように動き出し
僕はシートベルトをおもむろに締める
そうしている間にも
父は身じろぎひとつせずにいて
なにもしゃべらずにいる
まだ朝だし夏ではないから
暑くはないけれど
それでも初夏と言ってもいいくらいの
暑さで朝日を全身に浴びていて
爽やかだが少し暑いくらいだ
僕はハンドルを右に切り
車をゆっくりと発進させる
そうして手を振り挙げる父に
同じように手を挙げ振り返し
少しづつゆるやかに
車のスピードを上げる
僕はバックミラーで父の姿を見る
手に腰に当てた格好のまま
まだ見送っている
僕は窓ガラス越しに父の姿を追う
父はまだ動き出す気配を見せず
見守っている
前方を気にしながら
それでも僕はバックミラーで
父の姿を確認する
まだ父は動かず
どんどん小さくなるが