蝉が鳴く


虚ろに響き鳴く


終わろうとする


晩夏の夜に鳴く蝉の


その悲しみに似た


声を聴きながら


わたしはそっと目を瞑る



やがて蝉は鳴き止む


それが秋の到来の合図のように


もう今では蝉の声は聴こえない


夏を惜しむことなく


秋の夜に


わたしはまぼろしの唄を聴く


深く


深く


地下深くに沈んで


声を涸らして鳴く


もう今はなき夏の夜の


蝉の声を