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いやー、最初テレビで知ったときは驚きました!
というのも、2016年10月13日午後20時ごろ、今年のノーベル文学賞に、アメリカのシンガソングライターであるボブ・ディランさんが受賞したとスウェーデン・アカデミーが発表したことです。
いわば、歌手初であり、ミュージシャン初の受賞ともなったのでした。
ノーベル賞委員会は、授賞理由を「アメリカの偉大な歌の伝統で、新しい詩的な表現を生み出した」としていました。
それに、別にいきなり降って沸いた、まったく予想だにもしなかった意外な話というわげではなく、実は毎年ブックメーカーのノーベル文学賞の候補としてボブ・ディランさんは上がっていたそうです。
今年のブックメーカーの予想でも7位(最高で4位)と、上位ではなかったものの、ベスト10圏内には入っていたくらいの人気だったのでした。
それでも、今年もイギリス政府公認のブックメーカーでも最有力候補として挙げられていた、日本だけでなく世界的に有名な、小説家の村上春樹さん。
さらには、シリアの詩人アドニス氏や、ケニアの小説家・批評家のグギ・ワ・ジオンゴ氏がノーベル文学賞の有力視とされていただけに、やはりボブ・ディランさんが受賞したのは意外であったことには違いないでしょう。
これにより、作家の村上春樹さんの受賞は残念ながら「11度目の正直」とはならなかったのでした。
ボブ・ディランさんの受賞には、当然のことながら国内外において多くの賛否両論がありました。
特に、文学賞なのにミュージシャンが受賞したことで、海外の作家からの批判が多かったみたいですね。
日本のネットのユーザーさんたちも、ボブ・ディランさんが受賞したことで、さぞや2ちゃんねる並に、掲示板では批判のオンパレードとなっているのかも? と思い見たところ、意外と祝福する声が多数あったのはちょっと意外に感じました。
一方で、ノーベル文学賞発表当日のテレビのニュースやワイドショーでは、村上春樹さんのファンの通称であるハルキストが集まることで有名な東京杉並区の「6次元」という名前の喫茶店が映っていました。
いつからなのか、「6次元」でノーベル文学賞発表の中継を、ハルキストたちがスマートフォンやパソコンの画面で見守る光景が恒例となっていますね。
それに、毎年村上さんがノーベル文学賞に選ばれなくてハルキストが肩を落とす光景もおなじみとなっていて、今年もそうでした(笑)。
また、村上さんがジャズ喫茶を経営し、若き日を過ごした場所である東京・千駄ヶ谷の鳩森八幡神社では、13日の文学賞発表に合わせてカウントダウンイベントが行なわれていた様子も報道されていました。
私は、喫茶店ばかりに目をとられていて気が付かなかったんですが、鳩森八幡神社でのカウントダウンイベントは今年で3回目だったそうです。
ボブ・ディランさんの受賞については、日本にはいくつかボブ・ディランさんのファンが集まるバーがあり、東京・豊島区にあるライブパー「ポルカドッツ」では、ボブ・ディランさんの曲を流しながらお祝いすることに。
神戸市中央区にあるバー「ディラン」では、カウンターにボブ・ディランさんのレコードを置いて、同じく受賞決定を祝ったということでした。
◆ボブ・ディランについて
ではここで、ボブ・ディランさんについて少しご紹介してみたいと思います。
ボブ・ディランさんはアメリカ・ミネソタ州ドゥルース生まれで、1941年5月24日だそうですから、現在75歳。
カントリー音楽やブルースの影響下で、高校時代から音楽活動を始めました。
1962年、アルバム「ボブ・ディラン」でデビューし、1963年に出したセカンドアルバム「フリーホイーリン・ボブ・ディラン」には、「風に吹かれて」「戦争の親玉」など、その後も代表曲として歌い続けられる作品が収められ、高い評価を受けたそうです。
さらに、1964年にはアルバム「時代は変わる」を発表。
当時、公民権運動やベトナム戦争に揺れる若者たちの心を捉えたのでした。
日本でも数多くの公演実績があり、1978年2月末に初来日して東京と大阪でコンサートを行うことに。
その後も、
1986年
1994年
1997年
2001年
2010年
2014年
2016年
と、最大で9年など、ブランクの大小はあっても、不定期ながら日本公演が行なわれていたのでした。
ここまで来日公演が多く、しかも今年も日本で行なわれたとなると、ボブ・ディランもかなりの親日家とも言えそうです。
ロックアーティストには多大な影響を与えたミュージシャンあり、彼の放ったメッセージは、いまだに声高らかに現代社会の問題を叫び続けています。
しかも、ノーベル文学賞受賞もそうですが、現在75歳を迎えてもなお現役のミュージシャンとして活躍しているのがスゴイですね!
なお、先ほども少し触れた2016年度の来日コンサートは、すでに4月に、およそ1ヶ月かけて東京、仙台、大阪、名古屋、横浜を回る、「ボブ・ディラン JAPAN TOUR 2016」と題し、15年ぶりのホールツアーとして行なわれたということでした。
◆音楽の教科書にもなっている ボブ・ディランの代表曲「風に吹かれて」
実は、ボブ・ディランさんの代表曲が、学校の音楽の教科書にもなっていることを、今回初めて知りました。
でも、音楽の教科書にもなった、1963年の「風に吹かれて」(Blowin' in the Wind)の曲は、私も唯一知っていたのでした。
「風に吹かれて」の曲は、下のYouTubeのプレーヤーから視聴してみてくださいね。
「風に吹かれて」 2分35秒
ノーベル文学賞受賞後のテレビのニュース番組で何度も見たことがあった、若かりしころのボブ・ディランさんがアコースティックギターを弾きつつハーモニカを吹きながら歌う、「風に吹かれて」のモノクロ映像。
でも、フルで見たのは今回が初めてでした。
しかも、当然のことながら若い!
最初「風に吹かれて」を聴いたとき、メロディーからして、きっと片思いか失恋といった恋をテーマに歌っているのかもというふうに感じたものでした。
そのように私は、これまで曲は知っていても歌詞の意味までは意識したことがなかったのです。
そこで、今回ノーベル文学賞を受賞したことで、 「風に吹かれて」についていくつかあった日本語訳での歌詞を見てみました。
その一部をご紹介しますと、
「どれだけ道を歩いたら、一人前の男として認められるのだろう」
「何度弾丸の雨が降ったら、武器は永遠に禁止されるのだろう」
「答えは、友達よ、風に舞っている。答えは風に舞っている」
となっていて、実は政治的な抗議が歌詞の中に含まれていたのだそうです。
ボブ・ディランさんいわく、「風に吹かれて」の曲について次のように話していました。
「この歌についちゃ、あまり言えることはないけど、ただ答えは風の中で吹かれているということだ。
答えは本にも載ってないし、映画やテレビや討論会を見てもわからない。
風の中にあるんだ、しかも風に吹かれちまっている(後略)」
うーん…話の一部を引用しただけでも実に抽象的ですね。
この曲は、黒人差別反対を訴える運動が盛り上がる中で大ヒットしたとのこと。
人々の多くはその詞に、当時のアメリカの社会や体制への怒りと捉えたそうです。
世の中を変えたいと願う人々の間で政治的な抗議を歌詞の中に含む歌「プロテストソング」として歌われるようになり、ベトナム反戦運動や公民権運動の中で、必ず歌われる歌となったということです。
下にご紹介のリンクは、2007年10月24日に、ボブ・ディラン初のオールタイムベストとして発売された、なくなり次第終了の初回限定の2枚組のCDで、全21曲のうち、記事内でご紹介の「風に吹かれて」はDisc1の1曲目と、「ライク・ア・ローリングストーン」は5曲目に収録されています(サイト内では試聴もできます)。
また、下にご紹介のリンクは、2007年10月24日に、ボブ・ディラン初のオールタイムベストの中でも1枚に収められたCDアルバムで、全18曲のうち、記事内でご紹介の「風に吹かれて」は同じく1曲目に収録されています(サイト内では試聴もできます)。
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