車内で会った女性の降りた駅

ブダペストを後にして列車に乗り込んだ私。



早速、次の目的地について勉強を始めました。









夕暮れの窓際でガイドブックを広げていると、



「ここ空いていますか?」



と声が聞こえました。



「はい、どうぞ。」




声の聞こえた方に振り向くと、スラリと背の高い綺麗な女性が立っていました。



彼女の目と目が合ったので、軽く微笑むと、全く関心の無いような素振りで目の前に座りました。



小心者の私はちょっとショックを受けて、何もなかったようにまたガイドブックを読み続けました。






それから1時間ほど経ってからでしょうか、何故か急に彼女から話しかけられました。



「どこから来たの?」



「日本です。あなたは?」



そんな他愛もない内容でした。



「私はブラチスラバに住んでいるのだけれど、ブダペストに住んでいる学生時代の友達に会いに行っていたの。



今はその帰りで、月に1回はお互いに会いに行っているの。」



そう、彼女は私に言いました。



ただ頷いて「あ、そう?」とだけ言う私に、更に話を続けました。



「ブラチスラバは行った事ある?すごく素敵な街よ。 



旧市街は一度は行った方がいいわ。  そこから離れると近代的な街だから見るところはないけどね。」





正直、最初の印象が悪かったので、あまり話をする気分ではありません。

でも、一方的に彼女は話しかけてきて、その話の内容は、未知であるブラチスラバのことなので興味はあります。



しばらく話を聞くことにしました。





でも、話をしてみると気さくな感じで、初めの悪い印象はすぐに払拭されました(←単純汗



私も日本の話や、ブダペストに来ることになった経緯などを話し始めました。



彼女にとっても日本は異国のこと。日本人と話すのは初めてだと言っていました。







そうして1時間弱ぐらい話した頃、彼女は乗り換える駅だからと降りていきました。



ウィーンで乗換えだとばかり思っていたので、ガッカリしたのは否めません。



でも、ここの駅で乗り換えた方が近いのだそうです。






「HWGYESHALOM」





という駅でした。



トーマスクック時刻表には載っていません。







旅行者には無関係の小さな駅。



でも、さっき知り合った女性が降りたという事で、私にとっては少し意味のある駅になりました。







「さよなら。」



と別れる二人。





一期一会。



だから旅行って素敵。



でも、親しくなった分の淋しさもあります。



「もう会うことはないかもしれない・・・」



そう思う気持ちが、何でもない出会いを素敵に感じさせているのかもしれません。










「ブラチスラバは素敵な街よ。 一度は行った方がいいわ。」



そう言った彼女を思い出して、私は早速明日ブラチスラバに行くことを決めたのでした・・・