バスティーユからルーブルへ続くセーヌ川を歩くと、今パリにいるのだと強く実感で
きます。
エッフェル塔より、シャンゼリゼよりオペラ座より、
もっともパリらしい風景だと私は思います。
歩きなれない石畳を歩いていくと人々の様子を窺う事ができます。
鳥に餌付けをしている老人、一心不乱に筆を動かしている画家。
頬をくっつけて抱きしめあっている恋人・・・
その様子を見ていると、ここは観光地ではなく、人が暮らしている街なのだと改めて感じます。
セーヌ川には二つの島が浮かんでいます。
一つが”シテ島”で、もう一つが”サン・ルイ島”です。
この二つの島にはいくつもの橋が架かっていて、
その橋を渡って行き来することができます。
この”シテ島”と”サン・ルイ島”、実はノーブル感一杯の界隈なのです。
小粋な老婦人がキレイにトリミングされたプードルを散歩に連れていたりします。
背筋がシャキっとしている老紳士が、お洒落なステッキをもって歩いています。
そのような中、キョロキョロと見回すとリサイクルショップがありました。
外から覗いてみると、その品揃えにビックリ!
使い古されたシャネルやらカルティエやら、無造作に置かれています。
使用感のあるものですが、ひょっとしてアンティークだったりして・・・
更に歩いていると不意に、上品なご婦人に声を掛けられました。
「寒いですわね~、マダム」
”マダム”と呼ばれちょっと上機嫌になった私(ちなみに、フランス語では既婚女性をマダムと呼びますが、大人の女性に対しての呼びかけに使います)
「どちらにお出掛けですか?」などと彼女に話しかけました。
「いいえ、どちらに行くというわけではありませんわ。 散歩しているんですの。」
そう言いながら上等そうなショールをさりげなく直す婦人。
「この近くにお住まいですか?」
私がそう尋ねると、
「いえいえ、住んでいるのはもう少し離れた地区なのですけれど、ここ(島)に知人がおりまして、遊びに来てはよく散歩しているの。」
そう言ってニコリと微笑んでくれました。
「オゥフ・ ヴォワール」(さよなら)
そう言って別れる二人。
ほんの少しの会話だけの出会い・・・
こういう出会いって素敵ですよね。![]()
なんだか楽しい気分になって、ちょっと高価なワイン とチーズを買ってホテルに戻ったのでした・・・
